本沢川 黒石谷 大迫力の美渓に酔う① 2009.07.18-19
巻き道から明神滝
<メンバー>
山仲間
<山域>
台高
<コース:1日目>
黒石林道終点~男女滝~明神滝~扇滝~霞滝~菅平谷出合(泊)
2009年の沢シーズンは4月4日の大岩谷に始まり、御池ゴロ谷も含めて12本を数えた。その間、沢泊もしたし、ロープワークの練習も行った。ここは一つ前半戦の締めとなる遡行をしてみようという事で、台高では去年、一昨年と行った堂倉谷と同じくらい評価の高い黒石谷を行先に決める。
初見の3級沢、しかも泊まりともなれば知り合いでも行くことのできるメンバーは限られる。しかも海の日の3連休は皆さん色々と予定があるようだ。結局、メンバは二人のみになってしまった。
榛原でEちゃんをピックアップし、川上村へ向かう。梅雨前線は日本海側へよっており、白山、北ア辺りでは雨模様の様だが大台ケ原方面は晴れ間も見えるまずまずの天気。黒石林道のゲートも開いており、林道終点まで車を進める。
今日は他に一台の車も無く我々の貸し切りのようだ。40リットルのザックにパンパンの荷物とガチャガチャを腰にぶら下げいざ出発。降りてすぐのゴーロ歩きが嫌だったので林道を少し歩くき、最初の廊下が終わったところで入渓。谷に降りると空気もひんやりとしており、期待と不安でドキドキ。
入渓 期待と不安でドキドキ
いきなり現れる2条10mの斜瀑は大台ケ原界隈らしいスケールの大きく美しい滝。ここは流れの左側を直登する。
2条10m斜瀑は左直登
斜瀑を越えるとすぐに廊下が現れる。ここは突破できないので巻くのだが、左側にあるはずの仕事道に上がろうと思ったが見つからない。苦労して薄い踏み跡をたどるとトラロープが現れて谷へ導いてくれた。後で確認したら正解は右側だった。
廊下の入り口 左巻き
トラロープで降り立った先は末広12m斜瀑の前。ここでも滝の美しさにうっとり・・。続いて現れる8mは左巻き、その次の男女滝は真ん中の張り出しを登る。ここを越えれば前半のハイライト明神滝だ。
末広12m斜瀑は直登
これは左巻き
男女滝 中央から
男女滝を越えるとすぐに水の落ちる轟音が響き渡ってくる。前方に目をやるとまるで空の上から落ちてくるような大迫力の明神滝。滝が張り出した岩の上を落ちてくるので四方に水しぶきが舞い、まるで巨大なシャンパンタワーの様。あまりの景色に何度もため息をついてしまう。高巻きが控えているので、滝の前で小休止。
明神滝①
明神滝②
明神滝③
明神滝④
明神滝の巻き道は左側の大岩の下を潜り、ルンゼを登っていく。一度細い岩溝をルートと思い登ろうとしたがいかにも苦しいので他にルートを探すと、数m下流側から楽に登ることができた。巻きの途中から明神滝を眺めると、この谷のスケールの大きさがヒシヒシと伝わってくる。
巻き道から明神滝
明神滝落ち口
続いて現れる扇滝は水量が若干少なかったせいか、扇には見えなかった。ここは滝の裏に回り左側の踏み跡を登って巻く。
扇滝
滝裏へ回る
裏見の滝
扇滝を越え、滝を二つばかり突破すると深切谷の出合から廊下が始まる。この廊下の奥にこの辺りで最大の霞滝(2段40m)が控えている。霞滝は大巻きする予定だが間近に見たかったので廊下の中を進む。
深切谷出合の廊下
霞滝は谷幅いっぱいに急角度の岩のスロープがかかっているようで、そこから2条の滝が滑り降りている。上級者は中央を下段まで登って直登するらしいが、そんなのはとても無理。右側の岩溝を巻く記録もいくつか見たが、我々には少しリスキーな気がするので、深切り谷出合まで戻り仕事道を利用して大巻き。
霞滝①
霞滝②
仕事道は幅1m程で石組みの上に作られた立派な道だが、ところどころ抜けており危険な個所がいくつか。それに健全な部分にも頑強な笹が生え始め、とても普通に歩くことができなかった。ガイド本にはこの仕事道を下山に使うとあるが、意外と時間がかかりそうだ。
仕事道の石垣
霞滝落ち口
菅平谷出合
今宵の宿も完成
明るいうちはハエが多く、防虫ネットを顔に被っていたが、焚火が燃え日が沈むといつの間にかハエも姿を消した。枝にウインナーをさして焚火であぶりながらウイスキーをチビチビと舐める。今日の感想と明日への期待。今度はどんな沢に行きたいかなんて話をしているとあっという間に9時になってしまった。いつの間には空には星が出ており明日も楽しい遡行になりそうだ。疲労と緊張が解けたせいか、あっっと言う間に眠ってしまった。
たき火にはウインナー