晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

矢原川本谷から野登山 迫力の不動滝と巨木群 2009.07.05

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鈴鹿最大の下不動大滝

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
坂本集落~矢原川本谷~仙鶏尾根~野登山~坂本集落


 鈴鹿随一の落差を誇るという矢原川の不動滝。いつかは見てみたいと思っていたが未だ果せないでいた。実は4月のアカヤシオの頃に計画をしたが雨で中止。ハリマオさん、とっちゃんを始めとするヤブコギネット有志での沢企画の話が持ち上がったので、行きたい沢としてお願いしたのがかなった。
 
 7月5日は先週に引き続き土日連荘沢で、体の方はいい加減にしろと信号を発しているようだが、山は待ってくれても季節は待ってくれない。前夜はアミノバイタルを飲みPC遊びも程ほどに早めに就寝し、本番に備える。

 

 集合場所の坂本棚田の駐車場には3番手で到着。集落の中を歩き、既に田植えが終わり、稲がすくすく育っている棚田の中を通り抜け、薄暗い林道へ分け入る。林道歩きは思ったよりも長く30分ほどは歩いただろうか。ネット見たことのある「イセ愛山会」のプレートを見つけ谷に下りる。

 

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林道からの下降ポイント

 

 入渓ポイントは植林の中で赤茶け角張った岩転がる雑然とした雰囲気。前日は赤坂谷のまばゆいばかりの白い花崗岩の中にいたので少しギャップを感じる。最初は体を慣らしながら慎重に歩いていく。

 

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最初はショボイ感じ

 

 程なく5mほどの立派な滝。トップで超えていくハリマオさんの足取りはとても軽やかで、気力、体力共に衰える一方(本人談)とはとても思えない。滝は立っているもののホールドはしっかりとあり、シャワーも爽快に楽しく超える事ができる。

 

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5m滝を快調に超えるハリマオさん

 

 4.5mの滝をいくつか越えると20mほどの立派な滝が現れた。これが下不動滝の前衛か。見たところ何とか登っていけそうな雰囲気だが、安全を期して左のトラロープを利用して巻き。しかし、横から滝を見るととても登れそうも無かった。下から見るのと印象がちがうな。

 

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下不動の前衛滝

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素早いな~

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これは左のトラロープを使って巻

 

 前衛の滝を上り詰めると目の前にバーンと下不動滝が現れる。遥か上空から流れ落ちる様は圧巻・・。写真を撮りたくて下部を少し登っていくが、巻き道への復帰は垂直の壁を木の根を掴んでのモンキークライムで冷や汗物、ちょっと軽率だったと反省。

 

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鈴鹿最大の下不動大滝①

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鈴鹿最大の下不動大滝②


 下不動滝の巻きはこれまた急斜面を木の根を掴んでの登り。登っても登ってもなかなか滝上に出ない。巻き上がり過ぎたかなと思う地点で何とか谷に下りるとちょうど落ち口だった。やっぱり大きい滝は巻きもしんどい。滝上で少し休憩した後、遡行再開。

 

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落ち口からのぞく(タマがチヂム・・)

 

 しばらくは平流になるがすぐに数mの手ごろな滝が現れる。これらもシャワーで越えていくとやがて美しい多段滝が現れた。ハリマオさんと兎夢さんはすでに何段か登って手招きをしているようだ。ここもホールドが豊富で楽しくシャワーを楽しめる。

 

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再び連瀑帯へ

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多段滝

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確保しっかりね

 

 いったん中ほどに全員が集合。後一段越えれば上不動滝というところで兎夢さんがトップで挑戦。越えなければいけない高さは2mほどでホールド、スタンスとも豊富(なように見えた)、簡単に思えたがなかなか苦労しているようだ。下からあーでもないこーでもないと言っているうちにエイヤっと兎夢さんは登っていった。

 ロープで確保してもらい挑戦するがこれは難しい。最後の一手がつるつるで手が出ない。右側にかろうじて指の入るクラックがあったので、指2本に体重をかけ、えいやっと一か八かの登り。確保のおかげで全員無事に上不動滝を拝む事ができた。ここは滝のそばに穿たれた穴に鎮座する不動様を見るのが楽しみだったのだが、穴だけだった。どこかで映像を見たことがあるような気がしたが記憶違いだろうか。

 

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上不動滝下部(手強い・・)

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上不動滝

 

 上不動滝は右側から急斜面の巻。この滝は安心して上から覗けるので写真を撮りに行く。すごい高度感だ。

 

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ここも落ち口ショット

 

 ここから上流は4~5m滝が連続する楽しい連瀑帯。大滝巻の緊張も解け、今回のコースで一番楽しいコースかもしれない。

 

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連瀑を楽しく通過

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登れるかな?

 

 連瀑帯を過ぎると源流の雰囲気で水量が一気に乏しくなる。時間的には余裕があったが、稜線に休憩適地も無さそうなので兎夢さん、秋狸さんのリクエストでランチタイムにする。

 

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源流の雰囲気

 

 なんだかんだで楽しいランチも1時間ほどで終了。あとは水が枯れた沢をたどり稜線まで。伐採された雑木が谷を埋め歩きにくいが、窯跡もちらほらと現れ、杣道を拾うように上がっていく。

 

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窯跡も現れた

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これを越えれば稜線

 

 稜線に上がると風が気持ちいいかなと思っていたらどんよりと曇った湿度の高い空気。ここで靴を履き替えて下山モードに入るが、やたら虫が多いのに閉口してしまう。この日のためにハッカ水を作ってきたので盛んに振りかけたのだが、見事に左の瞼を刺されてしまった。

 

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稜線は立派な登山道

 

 帰路は仙鶏尾根から野登山経由で下山。仙鶏尾根はアップダウンが激しく、スニーカーには少しきつかったが、野登山ではハリマオさんの巨木案内ツアーにうっとり。ふた抱え以上もある巨杉やケヤキを眺め、ガスがかかる幽玄の古刹を楽しみながら表参道を歩いて坂本集落まで。

 

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アップダウンの激しい仙鶏尾根

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カワイイキノコ

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巨木(ケヤキ)を計測

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野登寺と巨杉

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このあたりで2番目の大きさらしい

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天狗でもとまっていそう

 

 これで未見だった不動大滝も見ることが出来、谷も予想以上に滝が多くとても楽しい遡行になった。今度はアカヤシオ咲く時期にぜひ出かけてみようと思う。

 

ご一緒いただいたハリマオさん、とっちゃん、兎夢さん、秋狸さん、ありがとうございいました。また、よろしくお願いします。