晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

ハライドからぶな清水 朝明再開発? 2009.06.06

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コンコンとぶな清水

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
朝明~ハライド北尾根~ハライド~腰越峠~ぶな清水~伊勢谷道~朝明


 土曜日は夕方から御嶽山遠征なのだが、Uちゃんが親孝行でお出かけなので昼間は一人で留守番になってしまった。一人で家にいても仕方無いので、自分が企画する山行の下見に行くというKさんのお付き合いをする事にした。

 

 今日のテーマは朝明からハライドへのルートの確認。これまで腰越谷を利用していたが、去年の9.2豪雨で大荒れに荒れてしまったらしく、ハイキングルートとしては使えなくなってしまった。これに変わるルートとして尾根道を確かめるのだ。

 眼をつけていたのはハライドから北に伸びる尾根。等高線は詰まっておらず、地図を見る限りは何故ここに登山道が無いのか不思議なくらい。今尚復旧作業が続いている児玉壮前の橋を渡り、腰越谷の方へ進む。

 

 ひと気の無いバンガローやバーベキュー施設の横を通り、これ、と目された斜面に取り付くとすぐにテープ印が見つかる。まあ、そうだろうなあ。テープを拾いながら照葉樹の落ち葉を踏みしめ登っていくと、しっかりとした道型も現れる。鈴鹿で人跡の無い尾根や谷など無いに等しいので、当然といえば当然だろう。鬱蒼とした樹林帯がぽっかり開けると草原のような場所にでた。右側の腰越谷を覗き込むと土石流の跡が今尚くっきりと刻みつけられている。もう廃道かな。傍らではドウダンツツジが綺麗な花を咲かせている。

 

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草原上の頂上直下

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鈴生りのドウダンツツジ

 

 斜面をひと登りするとあっさりとハライド頂上へ。もう少してこずるかなと思っていたが、えらくあっさりと今日の目的を達成してしまった。北に目をやると釈迦ヶ岳の肩に雲がかかり、今にも泣き出しそうな空模様。

 

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釈迦ヶ岳に雲がかかる
 
 来た道を戻っても仕方が無いので久しぶりにぶな清水を訪れる事にする。新聞にも取り上げられたようで、その変わり様が少し気になる。腰越峠まで下り、ヤシオ尾根を登り返す。急な登りだが涼しい風と溢れんばかりの新緑が足を軽くする。途中、下ってくる単独の男性とすれ違う。

 

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腰越峠

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新緑が輝く

 

 傾斜が緩くなり、やがて水平に近くなると右側の斜面へ下る明瞭なふみ跡が現れる。ぶな清水へ道だ。テープもしっかり付いているし踏み跡も数年前に比べるとずいぶんと確かなものになっている。この辺りは地形図に出てこないアップダウンがあり、GPSで位置を確かめながら降りたこともあるのだが、もう普通の登山道と変わらない有様で、地図もコンパスも使わずにぶな清水に到着する事ができた。

 

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ぶな清水

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何回来てもいい雰囲気

 

 清水がこんこんと湧きだす大岩の傍らに腰を下ろし一息つく。いつの間にか太陽が顔を出し木漏れ日が美しい。鳥が盛んに囀り、風が葉を揺らす音と相まってとても気持ちがいい。久し振りに訪れるが何度きてもいいものだ。新聞にはオーバーユース云々と書いてあったらしいがそれらしい痕跡は見当たらない。書いた記者はどれくらいここを知っているのだろうか?初めて訪れ伝聞を単に書いているだけのように思える。

 

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お日様も顔を出す

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大岩の下からこんこんと水が沸く

 

 清水で喉をうるおしていると3人づれのパーティーがやってきた。伊勢谷から訪れたというが、りっぱな道標ができていたと残念そう。ここはすでに秘境では無いけれど、みんなの心の中のとっておきの場所だったのだろう。道標はあまりにも余分のような気がする。

 

 夕方には出かけないといけないのであまり長居はできない。早々に腰を上げ、伊勢谷源流を下っていくといきなり鉄製の道標が・・余りの違和感にちょっとがっくりしてしまった。

 

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ありゃ、こんなのが・・

 

 伊勢谷の源流は思った通り相当荒れていた。ぶな清水辺りが無事だったのは本当に奇跡に近いのかもしれない。しかし、谷沿いの踏み跡はかなりしっかりしており、豪雨後もたくさんの人が訪れているのがうかがえる。

 

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イワカガミ

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流れに沿って下る

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伊勢谷源流・・荒れている

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ここも・・

 

 すっかり明瞭になった踏み跡を辿っていると不意に木で拵えたベンチが現れた?よく見るとそこが千種街道との分岐で、ここにも立派な道標と丸木橋まで作ってあった。
 道標の仕様、整備の手法からし釈迦ヶ岳の中尾根登山道を開いた人たちの仕事だろう。登山道整備は頭の下がる仕事だが、これはちょっと勇み足かもしれない・・。

 

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何だこれ?

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ついにこんなのまで

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ちょっとやり過ぎでは・・

 

 根の平峠からの下りの道はところどころ整備され、ずいぶんと歩きやすくなっていた。土石流ですっかり川床が上がってしまった伊勢谷もなんだか見なれたような気がする。こうやっていつの間にか慣れてしまい、大事なものが無くなっても気づかないのかもしれない。