中ノ谷から鎌ヶ岳 新緑の沢とシロヤシオの尾根 2009.05.23
只今直登中
<メンバー>
山仲間
<山域>
<コース>
宮妻峡~中ノ谷~鎌尾根~鎌ヶ岳~(かずら谷道)~宮妻峡
前の週末は二日とも家で沈澱していたので少々欲求不満気味。ここはバシッと沢へ行ってみようと考えた。4年ぶりの当たり年であるシロヤシオとセットでと考え、鎌尾根を源流に持つ内部川、中の谷をチョイスした。
宮妻峡は既に数台の車が止まっている。空はきれいに晴れ上がり絶好の沢日和。かずら谷出合に車を止め、林道をテクテク歩く。そういえばこの辺りはヒル地帯だったなあと思いながら足元に注意するが、さすがに何も無い林道の上は大丈夫。大きめの谷を一つやり過ごし、奥に進むとコンクリート製の橋がかかるのが中の谷だ。さっそく沢靴に履き替えて準備を始める。
林道の傍らに座り準備をしていると何やら殺気を感じる!辺りを見渡すといつの間にかヒルに囲まれていた(少しオーバー)。おそらく越冬を繰り返した成虫(?)クラスで長さは人差し指くらい、ミミズ程度の太さのヒルが鎌首をもたげ、シャクトリ運動で迫ってくる。慌ててコンクリートの橋の中央に移り、ようやく準備再開。油断も隙もあったもんじゃない。
いきなり堰堤 右から巻き
堰堤の次に現れたのは2段10mの立派な滝。左から取り付いて、中段で流れを横切り右手から登って行く。のっけからのシャワーにアレドナリンが一気に噴き出す。この高揚感、やっぱり沢は楽しい。後続のYさんは念のため確保する。
次に現れた10m 左から取り付いて中段へそして右側を登る
中の谷は花崗岩の明るく開けた谷で、閉塞感も無くとても気持ちいい。両岸は新緑に包まれ、鳥たちのさえずりが足を軽やかにしてくれる。ナメや小滝をいくつか越えるとひとつめのゴルジュも怖さを感じる滝も無く、すべて直登で進む。
新緑がさわやか
花崗岩の明るい谷
溝状の滝をバシャバシャと
快適
二つ目のゴルジュの入口は深そうな釜を持った斜めになった滝。越えられそうな気もしたが、近寄ると胸までつかりそうなので、断念。左から巻いたが、これが結構高度感があって怖かった。これならがんばって登ればよかったと思ったが後の祭り。モンキークライムで何とか巻きあがり、懸垂下降で谷へ復帰。ふ~・・。
二つめのゴルジュの滝、越えられそうで越えられなかった
懸垂下降初挑戦のYさん
復帰してからも楽しい遡行は続く。少し谷の傾斜が強くなってきたなと思ったら、派手に水をかぶらないと登れそうにも無い滝が出現。さすがにここは合羽を羽織って登る事にした。まだ5月だもんね。
これはシャワーの予感
合羽を着てチャレンジ
右から飛沫を上げて落ちてくる滝をやり過ごし、岩間滝を超えると一旦ゴーロ歩きになる。やがて、水が少なくなったところで最後の8m滝が現れる。ここは左側の白い壁を直登したが、ホールドが細かく、慎重になる。ここも後続を確保。
右側から飛沫が
岩間滝
最後の滝、左の白い壁を登る
最後の滝を超えると水はあっという間にチョロチョロになり、ガレを詰めることになる。傾斜が急になるに従って、背後の伊勢湾方面の展望が大きく広がってきた。稜線まであと少しだ。
詰めはガレ
伊勢平野を見下ろす
花崗岩がボロボロに風化したルンゼを苦労しながら登っていくと今までの快適さは吹っ飛んでしまいそう。まるで蟻地獄のようなザラザラの斜面を登って行くと、岩壁にぶち当たった・・。うーん、間違ったか。よく見ると獣道がトラバースしていたので、それを利用して谷に復帰、最後は満開のシロヤシオの横を詰め、鎌尾根の登山道に乗る事が出来た。
詰めは厳しいなあ
稜線が見えた?
シロヤシオが満開
すっかり緑が濃くなった
鎌尾根で運動靴に履き替えて鎌ヶ岳を目指す。屏風岩より北側に出てしまったようで、鎌ヶ岳は目の前のように見える。満開のシロヤシオのトンネルをくぐりながらアップダウンを繰り返す。左には2週間前に歩いた綿向山から雨乞の稜線がくっきりと浮かび上がっている。
鎌ヶ岳とご対面
綿向山から雨乞岳
青空とシロヤシオ
シロヤシオ並木
木全体が真っ白
岳峠まで来るとたくさんのハイカーが頂上部から降りてきた。もうお昼を回ったのでみんな下山にかかるのだろう。満員と思った頂上部は数人の人が残っているだけ。抜群の景色を眺めながらおにぎりを食べる。すっかり緑が濃くなった山々を見ているともうすぐ夏だな~という気がふつふつとわいてきた。
山頂部を見上げる
鎌尾根
鎌ヶ岳
下山はかずら谷道を小走りでかけ下る。空気も乾いて来たようでヒルにはお目にかからなかった。ハルリンドウがまだきれいに咲いていた。