奥穂高への道
<メンバー>
単独
<山域>
<コース:2日目>
夜中、トイレに行きたくて目が覚めた。枕元の水筒の水が凍ってる。氷点下になっているのだろう。ヒュッテのトイレで用を済ますと空には満点の星。でもあまりにも寒く、写真を撮る根性は無かった。
翌朝、出発準備をするパーティーの声で目が覚めた。4:00だ。もう辺りは明るくなり始めている。パンとスープでの簡単な朝食を撮り、出発準備。日の出前にテントの外へ出て朝焼けを狙うが、空気が澄み過ぎているせいか、いまいち赤くならなかった。
日の出前の涸沢
もうすぐ太陽が
太陽が当り始めた
モルゲンロート(にはならなかった)
日の出
すでにしっかりとしたトレースができている上、気温が低く、雪が固まっているためいい具合にアイゼンが利く。体を温めながらゆっくりと上がって行く。
穂高岳山荘を目指す
まだ傾斜は緩い
目指すコルまでは遮るものは何も無く、ただひたすら登って行くだけ。蒼い空と白い雪しか見えず、距離感がつかめない。登っても登っても全然前に進んでいないように見えるが、振り返るとテン場がとても小さくなっていた。左を見ると吊り尾根と前穂高がとてもかっこいい。
テン場があんなに小さく
テン場があんなに小さく
吊り尾根と前穂高
遠いな~
何度も立ち止まり域を整えながら登って行く。サブザックだけなので空身同然なのだが、やはり高所のせいか息が続かない。もう少しトレーニングが必要だ。それでも徐々に空の色が濃くなり、左右の稜線がだんだん近づいて来る事で、登っていることが実感できる。
何度も見る、かっこいい
空の青が濃くなってきた
カールを一望
なかなか近づかない
やがて、左右の稜線が目の高さになり、傾斜が緩くなってくると鞍部に飛び出した。いままで見ることのできなかった新穂高側の景色が飛び込んできた。目の前に笠ヶ岳が迫り、その向こうに白山が白く浮かび上がっている。やっとここで一息いれる。
稜線が目の高さに
前穂、ますますかっこいい~
やっと鞍部へ、笠ヶ岳と白山
奥穂高の頂
前穂高と吊り尾根
北尾根のコブコブ
頂上まで登ろうかここで引き返そうか逡巡していると、最初のパーティーが登り始めた。ビレイしているわけではないが、鎖場、梯子をおっかなびっくり上がって行く。斜面には新しい雪が付いており、上部では這いつくばっている。うーん、どうしようかなあ。
元から単独なのでビレイを期待できるわけではないのだが、やっぱり不安の方が大きくなってしまった。もう少し経験を積んでから挑戦しよう。自分にそう言い聞かせて下山を開始する。せっかくなので今日中に上高地まで下りてしまおう。
最初のパーティーが登り始めた
さあ、戻ろうか
登って来た斜面は下りの方が傾斜が急に見えて少し腰が引ける。最初はトレースを辿っていたが、登りの人とすれ違うのが面倒なので、アイゼンを外しトレースの無い所を下って行く方がずっと楽だった。傾斜が緩くなると絶好のシリセード斜面になったが、もう雪が緩んで滑らない。ヒップソリを持ってくれば良かったか。
尻セードしたいなあ
恐竜の背のよう
続々と人が上がってくる
帰りはヒュッテまで1時間弱。テントを撤収し、最後におでんを食べようと思ったが、まだ味がしみ込んでいないらしいのでこれも次の機会に取って置く事に。時間は10:00。続々と人が上がってくる。
もう一度目に焼き付ける
さあ、下界へ
ひっきりなしにすれ違う
横尾までの道ではたくさんの人とすれ違い、その度によけなければいけないので少々辟易する。これが夏山や紅葉の時期はすごい混雑なのだろうなと想像するとちょっと怖い。
12:00に横尾着。そこからは我慢大会のような退屈な道を3時間歩いてバスターミナルまで。行きと違って気分の高揚は無く、背中のザックの重さだけを感じながらの歩きになる。
上高地には15:00着。帰りはバスを使って沢渡駐車場へ。すでに観光客で混雑するバスを降り、温泉で汗を流してさっぱり。
上高地へ到着
再び河童橋
帰りは眠気と戦いながら、高山経由で名古屋へ向かう。一人の山旅は気楽でいいけど、林道歩きや運転が大変だなあとつくづく思う。
途中仮眠を取りながら21:00にようやく帰宅。あー疲れた。でも天気に恵まれいい山だった。来年はUちゃんを連れて行こうか、それとも奥穂アタックかなあ。それにしてもいい経験になった、新たな目標がまた出来たもんだ。