晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

ゴロ谷からぶな権現 御池岳でボタン鍋を食す 2009.04.12

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大きなぶなの木の下で~♪


<メンバー>
山仲間(ヤブコギネット)

 

<山域>

 

<コース>
御池橋~ゴロ谷~ぶな権現~T字尾根~御池橋


 ちょっぴりマニアックな山人たちが集う掲示板ヤブコギネットの常連さん、秋狸さんが「鈴鹿御池岳でボタン岩を眺めながらボタン鍋をつつきましょう」という、なんとも楽しそうなイベントを企ていた。当日は別の予定があったので参加は見合わせていたのだが、急遽都合がついたので参加する事に。

 

 この集りの特徴が現地集合、現地解散となっていて、いかに目的地までルートに工夫を凝らすのかを競うような雰囲気がある。前日、地図を見ながらコースを考えていると、とっちゃんさんから滋賀側のゴロ谷から沢装備でアプローチしようか、というお誘いがあったのでこれに乗る事にする。

 二日続けての鈴鹿峠越えは少々きついものがあったが、新名神を経由して永源寺役場出集合。車を乗り合わせ御池林道を御池橋まで進む。

 

 橋から谷におり歩き始める。最初は石に埋め尽くされた河原歩きでウォーミングアップだ。アザミ谷出合を左に見送ってゴロ谷を進む。まだ木々は芽吹いていないが谷中のフサザクラとミソサザイのさえずりが春を感じさせてくれる。

 

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最初は平流のゴロ谷

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フサ桜

 

 ゴロ谷第3尾根を見送って先に進むと徐々に両側が狭まって谷らしくなってきた。前方に白いものは何かなと思ったら雪渓だった。1000mに満たないこの場所でまさか雪渓が見られるとは思わなかった。はるか頭上の斜面ではタムシバが花盛り。

 

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タムシバが咲いている

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なんと雪渓が

 

 更に進むと谷はちょっとしたゴルジュになっていて、ようやく楽しくなってきた。雨が少ないせいか水量は乏しく、岩は黄色い苔がついていて大変滑りやすくなっている。今日はフェルト靴じゃないので慎重に足の置き場を探りながら登る。

 

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ゴロ谷のミニゴルジュ

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岩壁にはショウジョウバカマ


 やがて水しぶきの音が大きくなってきたなと思ったらゴロ谷の大滝が現れた。大滝といっても10mあるかないかだが、急傾斜で集水面積の狭い御池岳西面では稀有な滝なのだろう。直登できるという話も聞くが、今日はチャレンジが目的では無いので右側から大きく巻く事にする。

 

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ゴロ谷大滝が見えた

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ゴロ谷大滝

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珍しく自画像

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巻きの途中から

 

 巻きあがると谷は開けて雰囲気のいい2次林帯になる。落ち口を見物に行くとハナネコノメソウやショウジョウバカマ、イワウチワがきれいに咲いていた。

 

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落ち口

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落ち口より覗きこむ

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ショウジョウバカマ

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イワウチワ

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ネコノメソウの仲間?

 

 ここからはボタン鍋会場に向けて登って行くだけだ。ドンピシャで会場に上がれるよう地図を見ながら支流を一つ一つ確認しながら登って行く。常に新しい土石が供給されているのか、谷中は浮石だらけで決して気持のいいものでは無い。雪渓の上を沢装備で歩くという、思ってもみない体験の後、右側の斜面に取り付くと、ピタリ目的地に到着。

 

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谷中に大木が

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ここにも雪渓

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源流は近い

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すでに始まっていた

 

 鍋の傍らでは御池テント泊でご一緒したkasayaさんが取り仕切っている。昆布から出汁をとる正統派、水はゴロ谷源流の湧水をバケツリレーならぬナベリレーで運んだらしい。

 

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味の具合は?

 

 参加者の出身地が多岐にわたっているため、やれ味が薄いだの、濃いだのとい注文がついたが、ここはシェフkasayaさんに一任。メンバーも続々と集まってきて10人を超えたみたいだ。中には登山口で知り合って参加したというツワモノの女性も加わり、歌も飛び出してちょっとした宴会になってきた。

 

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猪肉追加投入
 
 食べきれるか心配だった3kgの猪肉もみんなの胃袋に収まった。このメンバーならではの山の話で大いに盛り上がり、みんななかなか腰を上げようとしない。

 

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ボタンイワを見上げる

 

 それでもやっぱり下山時刻は気にしないといけない。後片付けの後、今回の会場の目印になった大きなぶなの木の下で記念撮影。でもその後、メジャーで木の太さを測定したりと、なかなか帰る気配はない。みんなもっと遊んでいたいんだな。

 

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大きなぶなの木の下で

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何センチある?

 

 なんだかんだとあってようやくお開き。三重側へ帰るメンバーはさらにバリエーションで未確認のぶなの巨木を見に行くという。元気だなあ。同じく滋賀側へ下るzippさん、とっちゃんさんといっしょにT字尾根を下る。

 

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宴は終わり

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T字交点付近の変わった木

 

 T字交点のお母さんぶなでノタノ坂方面へ帰るzippさんと別れて御池橋へ向かう。植林と自然林の半々になった尾根を歩いて駐車地に到着。

 

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お母さんのぶな

 

 今回はいい天気、初見のコース、たのしいメンバ-での宴、そして美味しいボタン鍋と最高に楽しい日曜日を過ごす事ができた。発起人の秋狸さん、同行のとっちゃんさん、ありがとうござました。

 そして参加の皆さん、また、どこかでお会いしましょう。

 

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今回のコース