<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
今回のコースは鈴鹿中部、三池岳~釈迦ヶ岳間の稜線縦走。鈴鹿でもどちらかといえばマイナーな山域だが、険しい三重県側に対し、たおやかな曲線を描く滋賀県側には愛知川水系の源となる二次林が広がり、私の中でもお気に入りのエリア。前日の不安定な天気から打って変わって晴天の予報。花の時期じゃないのが玉に瑕だなーと思いながら、今日も西へ車を走らせる。
桑名を過ぎて驚いた。鈴鹿の山は中腹から上が白くなっていた。昨日を雨は山では雪だったようだ。これは面白くなりそうだ。
田光から八風渓谷に向かうと道路は幾分復旧されており、キャンプ場前までは車で入れるようになっていた。しかし、射撃場手前の橋はまだ壊れたままになっており、9.2豪雨の恐ろしさが窺える。
流された橋
射撃場跡を過ぎしばらく林道を歩くがここもたくさんの水が流れたとあって、たくさんの石が掘り返されていた。何年か前までは車で入れたらしいのだが、今はその面影は無い。
堰堤の辺りから川床はすっかり洗い流され、車ほどの大岩が谷中を埋め尽くす無残な光景が広がる。浮石に注意しながら歩いて行くと、前方で稜線が白銀に輝いている。
川床がすっかり洗われている
道が谷からわずかに離れる部分では古の石畳が残っている部分があり胸をなでおろす。中世から残っている街道が跡形もなく消え去るという事態にはならなかったようだ。中峠分岐を過ぎ、道が山中を進むようになると雪が増え始める。空には青空が広がり、板が上にも気分が盛り上がってくる。傾斜が緩み、平坦地が出てきたなと思ったらそこはもう八風峠だ。
石畳には雪が
氷柱ができていた
雪に覆われた三体仏
空が広がってきた
八風峠到着
稜線に上がるとそこは樹氷の花盛り。3月にはいり、すっかり気温も上がったのでもう一度こんな光景が見られるとは思ってもみなかった。南には釈迦ヶ岳へ向かう稜線がたおやかな曲線を描いて伸びている。
樹氷に囲まれて
三池岳
左奥には竜ヶ岳
今日の予定は三池岳から釈迦ヶ岳の間の稜線を踏破するものなので、いったんザックをデポし、三池岳まで往復する。樹氷は風上になる西側斜面が素晴らしく、青空も相まって比較的地味なピークである三池岳も極上の展望台に早変わり。今年は雪山に行きそびれたメンバーもこの光景をじっくり目に焼き付けている。
三池岳へ向かう
一面の樹氷
三池岳山頂にて
きれいだねえ
集合
三池岳から反転し、今度は釈迦ヶ岳へ向かう。中峠ではKEIKOKUさん親子と遭遇。息子さんもこの雪の中を登ってきたんだ、えらいね。
釈迦を目指す
御池も真っ白
KEIKOKUさん親子と遭遇
釈迦ヶ岳への稜線は樹氷に覆われ、まるで樹氷の回廊になっている。足元にはたくさんのイワカガミの葉が敷き詰められており、樹氷の中を歩きながら春が待ち遠しい気持ちになってくる。昼を過ぎて気温が上がってきたのか日当たりのいいところで樹氷がぽたぽたと融けてきている。
樹氷が融けだした
たおやかな釈迦ヶ岳西斜面
県境縦走路は樹氷回廊
釈迦ヶ岳は、え、ここが?と思うほどの狭い平凡なピークだが、葉が落ちているせいか展望がよくなっているような気がする。これで、三池岳から釈迦ヶ岳間は踏破完了だ。さあ、下山にかかろう。
釈迦ヶ岳からの眺め
下山は岩ヶ峰経由。下降点は釈迦ヶ岳山頂から少し戻ったところからの急降下。残置ロープを使って慎重に降りていかなければいけない。このルート、無雪期ならばそれほど苦労しないが雪のせいで難易度がぐっと上がってしまった。途中、赤ペンキに導かれ、鏡岩の正面に出てしまい、急斜面をトラバースする場面もあったが、高度を下げるにつれ雪も無くなり、あとは照葉樹林の薄暗い森の中を淡々と下っていく。沢音が近づいてきたなと思ったら栃谷に合流。やれやれお疲れ様でした。
岩ヶ峰への急降下
ヌタバ
いつの間にかすっかり融けていた