晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

藤原岳 冬将軍、最後のあがき・・ 2009.02.22

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やっぱりまだ2月だもんねえ

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース>
聖宝寺~8合目~藤原山荘~天狗岩~(落し物捜索)~頭陀ヶ平~木和田尾~山口上水場


 先週の季節はずれの陽気で藤原岳の花たちも目を覚まし始めたようだ。若干早すぎるきらいもあったが、予定を変更して藤原岳花探訪に出かける事にした。しかし、先週とはうって変わってどうやら雪がつもっているらしい。時間がかかりそうな孫太尾根はパスし、聖宝寺からの取り付きに変更する。果たして雪を割って咲く福寿草に出会えるのだろうか。

 

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鳴谷神社

 

 鳴谷神社を横目で見ながら聖宝寺の境内を抜け、裏道に取り付く。今日は花粉対策でマスクをしているので、息が上がらないようにゆっくりと登って行く。3合目で早くも積雪が見られた。この時点で今日の花見はあきらめ、スノーハイクに変更する(気持ちの中で)。

 

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3合目で早くも雪が

 

 谷筋から植林帯の斜面に上がりゆっくりと高度を上げて行く。林の上では暖かい日差しが降り注ぎ、枝に積もった雪が融けて爆弾のように落ちてくる。首筋に雪の入ったKさんが冷たさに飛び上る。

 

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杉林では雪バクダンが

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5合目

 
 早く植林地帯から抜け出したいので8合目まではほとんど休憩なしで歩き続ける。8合目は完全に冬の景色に様変わりしていたが、昨日からのトレースで道は踏み固められ、ワカンなしでも普通に歩く事が出来る。

 

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8合目

 

 8合目からはあえて冬道を行くが、皆が好き勝手に歩いたようでトレースがボブスレーのコースのように縦横に走っている。まるで迷路の中を進むようにこれはと思うトレースを選んで歩いて行くとやがて傾斜が緩くなり展望丘が見えてきた。

 

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冬道を行く

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振り返る

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展望丘

 

 藤原山荘に到着したのはだいたい11時ごろ。お昼にはまだ早いかな~と思ったけど、同行のKさんがお腹が空いたというので、早めの昼食にする。朝は晴れていたのに何だか日が陰ってきて風の出てきた。奥がいは少し寒いので小屋の中でご飯を食べる。

 

 今日の予定は展望丘から治田峠に向かい青川峡を抜けて新町に下る予定。しかし、この積雪では展望丘からの大下りはいやらしい、何より大荒れの青川峡がその後に控えている・・。ここは予定を変更し、天狗岩から木和田のスノーハイクコースに変更。ワカンを装着し、北北西に進路をとる。

 

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予定を変更して天狗岩へ

 

 稜線上の積雪は30cm位。天狗岩までは踏み跡もしっかりしており、雪も締まっているので苦も無く歩く事が出来る。ただ、天気が下り坂で空がどんより灰色になってくるのが残念だ。雪上には鹿やウサギの足跡がいっぱいついている。

 

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30cm位はあるかなあ

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ウサギの足跡

 

 天狗岩から藤原岳を眺めると一応、2月らしい藤原岳になっている。やっぱり雪景色はなんだかびしっと締まって見える気がする。御池岳も一応白くなっている(この週末に入った人いるかなあ)。

 

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天狗岩から藤原岳

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御池も一応白い

 

 天狗岩から頭陀ヶ平はなだらかな雪原歩きが楽しめる。もう梢でさえずる小鳥を眺めたりのんびり歩いて鉄塔の下に到着。ここで事件が発生した!写真を撮ろうとポーチを見たらカメラが無い!チャックが半開きになっておりそこから落ちてしまったのだろう。前に写真を撮ってから30分位しか経過していないので、急いで戻る事にする。ザックとKさんを鉄塔の下に残し、ダッシュで元来た道を引き返す。

 

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あ、小鳥が

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なだらかな雪原歩き

 

 天狗岩~頭陀ヶ平の間は歩く人も少なく、自分のトレースも正確に確認できる。これならすぐに見つかるだろうと思っていたが、見つからない。すれ違った単独の方3人に聞いても「見なかったよ」との事。最後に写真を撮った場所まで戻ったが、無い・・。今度は更に慎重に自分のトレースをたどる。所々雪の上に顔を出している木の根がカメラに見えてきた。頭の中をいろんな思いがよぎる。

「新しいカメラを買ってといっても許してくれないだろうなあ」「もう誰かが拾ってくれてたのかなあ」「警察に届ければ見つかるかも?」「お小遣いでカメラを買うとしたら厳しいなあ」「土曜日にアルバイトしたらどうだろう・・」もう、頭の中はグルグルである。

 

 鉄塔まで戻るとKさんが「もう一度山荘まで戻り、そこから下山しようか?」と言ってくれる。時間も何とか間に合いそうだし、そうするか・・と思って何気なく足元を見たら半分雪に埋もれたカメラが落ちていた!。なんと落としたのに気づいた場所から数歩しか離れていなかったのだ。慌てて戻ったので最後の数歩を確認しなかったのだ。あ~見つかってよかった。アルバイトしなくて済む・・。ホッとして力がぬけてしまった。

 

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頭陀ヶ平からの眺め

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そういえば去年は大雪だったなあ

 

 カメラも戻って一安心、後は木和田を下るだけ。白船峠にはいかず、鉄塔の下から中電の小屋付近までシリセードで一気に下る。先週、藤原に来た時はまさかシリセードはできるなんて思いもしなかったが、鈴鹿での今シーズン最後?のシリセードを楽しむことが出来た。

 

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これを忘れていました

 

 最後の谷筋の道は歩くのがうんざりだったが、なんとか雨が降る前に山口上水場に着く事が出来た。ここから東海自然歩道を歩き、西藤原のJAまで戻る。お疲れさまでした。

 

 JA駐車場で靴を履き替えているとのりやさん一家と遭遇。なんでも藤原自然科学館が移転になるそうなので、最後に遊びに行くそうだ。「写真見てきましたよ、でも新作が無かったですねえ」というと苦笑されていた。

 

 いろいろハプニングもあったが、無事下山出来て良かった良かった。あのままカメラがみつからなかったらと思うとゾッとする。同行してくれたKさん、ありがとうね。そして心配して登山口まで様子を見にきていただいた会長、ありがとうございました。