晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御在所 朝飯前日ノ出山行 2009.01.25 晴れ

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 御在所8合目からの朝日

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
鈴鹿スカイライン~御在所中道8合目(ピストン)

 

 昨日は仕事、今日(日曜日)は冬型がゆるみ、積雪後の青空が期待できそうな最高の山日和なのだが、サークルの年一回の総会が9時から行われる。しかし、山行無しのまま来週末までは耐えられそうにも無いので、総会が始まる前に下山してしまう事にする。御在所なら8合目辺りで日の出を拝めば、9時までには湯の山温泉に戻ってこられるだろう。

 

 4時半に湯の山温泉奥の駐車地に車を止めて準備をしていると、またまた車がやってきた。こんな時間に何をしているのだろうと、自分の事は棚に上げて不審に思うが、時間も無いので出発する。雲も風も無く、穏やかだが月は見えず、ヘッデンの灯りだけが頼りだ。

 

 前日の寒波でどれだけ雪が積もったのかと思ったら、ほとんど降っていなかったようだ。スカイライン上の雪はほとんど溶けており、完全に乾いた路面になっていた。登山道の雪もカチカチに固められたトレースがあるのみ。

 

 そのせいか、コースタイムは無雪期とほぼ同じ。雪が白いせいかヘッデンの灯りでも十分に歩けくことができる。オバレ石を過ぎ、見晴らしが良くなると菰野町から四日市の夜景がバーンと広がる。

 

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伊勢平野の夜景

 

 三脚を立てて夜景撮影をしていると後ろからヘッデンの灯りが追いかけてきた。同じく写真を撮りに来た人のようで、さっきまで私が三脚を立てていた場所で夜景の撮影を始めた。同じ事を考える人もいるもんだ。

 

 キレットを通過し、7合目に着く頃には空が白々と明るくなってきた。8合目で日の出を拝もうと思っていたので、少しあわてなくてはいけない。足もとの雪はカチカチに凍っており、ロスをなくすためにはアイゼンを付ける必要があるが、その時間がもったいない。ずるずると滑り、時に四つん這いになりながら登って行く。

 

 8合目の手前で、先ほどの写真を撮っていた方もすごい勢いで追い付いてきた。同じくずるずると滑りながら息を弾ませている。やはり日の出の時間が気になるようで、アイゼンを付ける時間がもったいないと言っていた。ようやく、8合目に着くと東の空はぼんやりと紫色に染まり始めた。ここで三脚をセットし、日が昇るであろう方向にカメラをセット、1分間のインターバル撮影をしながら日の出を待つ。

 

youtu.be

 御在所から日の出を眺める

 

 風も無いので、穏やかに日の出を待つことができる。紅茶を飲み、パンをかじりながら東の空を眺めていると、雲が頭上を通り過ぎて行く。やがて、水平線が赤く滲んで来たかと思ったら太陽が昇ってきた。
毎日毎日繰り返されている光景のはずなのだが、なぜか感動してしまうものである。

 

 気がつくと辺りはすっかり明るくなっていた。もうそろそろ降りる時間だ。帰りは次々に登ってくる登山者に挨拶をしながら、なぜかちょっぴり優越感に浸って歩く。御在所が朝日に輝くが、樹氷はあまりついていないようだ。

 

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地蔵岩

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鎌ヶ岳

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鎌ヶ岳

 

 8時30分、予定通り中道登山口に到着。駐車地はすでに車であふれており、御在所は大賑わいだろう。振り返ると青空が広がっている。今日、これから山に登ったらさぞ爽快だろうな~、等と、考えてはいけない事をつい考えてしまった。