晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御在所  藤内沢から樹氷の山上公園へ 2009.01.12

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御池まで見えます~

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
湯の山温泉~蒼滝~御在所裏道~藤内沢~山上公園~中道~湯の山温泉


 3連休の最終日、さすがに疲れがたまってきた・・。それでもやっぱり山には行きたいので、ショートコースで楽しめる御在所藤内沢を選択する。アイゼン、ピッケル山行には欠かせない相棒になっているEちゃんと湯の山温泉駅で待ち合わせ。

 

 朝9:00の時点で湿ったボタン雪がしきりに降ってくる。こりゃ今日は家で寝ていた方が良かったかな?なんて思いながらとりあえず蒼滝Pまで車を進める。降りしきる雪のせいでノーマル後輪駆動の愛車は危うく走行不能になるところ。なんとか9.2豪雨から復旧した湯の山ロッジの脇を走り、駐車地に車を止める事が出来た。

 

 この辺り、9.2豪雨では北谷を流れおちた土石流の影響を受けて壊滅的な打撃を受けたところだが、湯の山ロッジや駐車場は復旧したようだ。ただ、湯の山養魚場は9月2日で時間が止まってしまったよう。

 

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無残に壊れたままの養魚場
 
 蒼滝へ向かう道は流されてしまっているので、湯の山温泉街を抜けて裏道登山道へ向かう。この天気のせいかロープウェイのお客も少ないようだ。

 

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ロープウェイもお客少ない?

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真っ白になった温泉街

 

 ロープウェイの駅を通過し、裏道登山道に入る。蒼滝に下りて行く道は通行止めとなっているが、少しばかり滝を覗きに行こうという事で、石段を下りて行く。フト視線を感じるなと思ったらカモシカに見詰められていた。鈴鹿で間近にカモシカを見たのはこれで2度目。こんな人気の多いところにいるもんだねえ。

 

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カモシカに遭遇!

 

 カモシカは写真を撮っている間もじっとしていてくれたが、少し近づくとあっという間に逃げてしまった。まあ、こんなものだろう。傍に下りてみると蒼滝は何とも無残な姿に変わり果てていた。赤茶けた水が岩肌を染めて「赤滝」になっていた。周りも土石や流木だらけで、子供たちが水遊びしていた涼しげな面影は全くない。

 

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赤滝になってしまった

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茶店より下は通行不能

 

 気を取り直して裏道を進む。迂回路は蒼滝トンネルの西側につながっていたので、トンネルを歩いて裏道へ入る。車が停まっていたので藤内小屋復旧のボランティアの人が入っているのだろう。道はすぐに広々とした河原になった。遠くに日向小屋が危ういバランスを保っているように見える。

 

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日向小屋が見える

 

 裏道が暫定復活してから歩いたのは初めてだが、ゴロゴロの河原に雪が積もり、その上にしっかりとしたトレースができているのでずいぶんと歩きやすかった。藤内小屋は傾いたままだが、煙突から煙があがり中からは人の気配がする。縁のある人たちが集まって復旧作業をやっているのだろうか?(はたまた営業再開したのか?)

 

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人が戻った藤内小屋

 

 広々とした河原を歩く頃には日差しも指してきていい感じになってきたのだが、藤内沢出合では再びどんよりとした雲に覆われてしまった。ここから緊張する場面なのに、せめて明るくなってほしいものだ。テルモスの紅茶と薄皮アンパンで小休止した後、アイゼンを装着しいざ藤内沢へ。

 

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広々とした北谷

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藤内沢出合

 

 連休の間にすでにたくさんの人が歩いたようで、雪はしっかり締まりトレースも明瞭だ。いきなり45°を超える斜面に少し緊張したが、ほどなく雪の階段を上がるような感覚になる。

 藤内滝は手前の尾根筋から巻きあがる。急峻な斜面のトラバースにビビりながら一歩一歩足元の雪のステップの安定を確かめながら進んでいく。

 

 藤内滝の上の氷柱は下まで届いておらず、いまいちの出来。このところ暖かい日が多かったからかなあ。コウモリ滝の段差は雪がしっかりついていたので、割と簡単にクリア。

 

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氷柱の出来はイマイチ

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成長途中

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アングルが決まらんなあ

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コウモリ滝の段差から

 

 ここからはひたすら雪の斜面にキックをけり込んで高度を上げて行く。まっすぐに立って腕を伸ばすと雪面に指先が届くほどの傾斜である。雪が締まっているとは言いながらピッケルは易々とシャフト全部が埋まってしまう程の柔らかさ。ズボッと沈み込む度にドキっとしながら登って行く。先を行くEちゃんは実に軽々。

 

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すごい傾斜

 

 もうすぐ凍った滝が見られるな~と思いながら、安易に上からまっすぐ下りてくるトレースに従って登って行くと裏道に合流してしまった。3ルンゼに入るところで直進してしまったようだ。尾根に上がると風が強く、山上公園の木々にはきれいな樹氷が付いていた。

 

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あれ、裏道に出た

 

 公園に上がってみると空はきれいに晴れ上がっており、樹氷が青空に美しく輝いていた。公園の傍らに風を避けながら簡単に昼食をとった後、本来来るべき道を少し下って氷瀑の様子を見に行くが、風が強いので断念。目の前にはいつの間にかすごい景色が広がっていて、もう最高。

 

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青空が広がる

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樹氷並木

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御池まで見渡せる

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青空はいいねえ

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国見尾根の向こうには鈴鹿の山々

 
 スキー場から雨乞岳方面を眺め、鎌ヶ岳を眺め、そして御池岳方面を眺める。どの山も青空の中で真っ白に輝いておりかっこいい~!。まってろよ~鈴鹿の山達よ~!と心の中で叫ぶ。

 

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閑散としたスキー場

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鎌ヶ岳もかっこいい

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真っ白な御池

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レーダードーム

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家も見えるか?

 

 帰路は中道を通って湯の山温泉まで。雪道の下りは歩きやすくて楽しいねえ。あっという間に登山口に到着。湯の山温泉を通過し、駐車地に戻ると雪はすっかり溶けていた。Eちゃん、今日もありがとうね。

 

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二日前に登った本谷(一の谷)

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地蔵岩