小岐須渓谷から大岩谷 時雨の紅葉沢登り 2008.11.15
しっとりと雨の中
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
小岐須山の家~小岐須渓谷~(一の谷、すり鉢滝)~屏風岩~大石橋~大岩谷~白滝~大石橋~小岐須山の家
2008年の沢納は鈴鹿の紅葉沢で、という事で小岐須渓谷へ出かけてきました。天気は生憎の曇模様。出発前にすでに雨が降り出してきましたが、今回は今年の沢の締め括り、いい思い出を残したい?というメンバーの意気込みに当然ながら決行です。
出発地の小岐須山の家はこの空模様にも関わらず、なぜか満員の駐車場。幕営装備を背負った高校生山岳部と思しきパーティーが2組も準備をしていました。何か催しでもあるのでしょうか。声をかけた一組は、今日は野登山でテント泊との事。がんばってね。
こんな天気でも満員の駐車場
野登山への登山道に沿って谷に下りて行くとすぐに入渓点です。最初は平凡な河原ですがすぐに廊下に行き当ります。夏なら泳げばどうって事なりませんが、さすがに膝から下が濡れるのは勘弁です。慎重にへつって突破します。
いきなり廊下
ドボンは寒いよ
厳しいヘツリをこなすEちゃん
2条3mの滝は右側の流れの脇を直登します。なるべく水に濡れないようにルートを工夫しなくては行けないので、夏よりも難しいかもしれません。先ほどのヘツリといい、一気にテンションアップです。
これは右の小さい流れを直登
濡れるのを怖がっちゃダメ
滝を超えると堰堤が出て来たので右から巻きます。林道へ上がると対岸の山肌が紅葉に染まっているのが良く見えます。堰堤を超え、河原が見えたら再び谷へ下りていいます。谷への降り口はしっかりした踏み跡がありました。
紅葉もかなり下りてきた
一の谷出合いの河原
さあ、遡行再開と行きたいところですが、少し寄り道です。左から流れ込む一の谷の少し奥に「すり鉢滝」と呼ばれる変わった滝があるようなので見学に行きます。堰堤を一つ越えると左側がハングした廊下になり、奥にその滝はありました。
石灰岩が激しく浸食されたツルツルの岩肌はなめらかな曲線を描き、水が滑り台の上を滑るように流れています。中段の釜をの覗いてみたかったのですが、滑って登れません。滝洞谷もこんな感じの滝が続くのかな~。
すり鉢滝
ハングした岩壁
寄り道はここまで。再び本流へ引き返し、遡行を再開します。雨は小雨程度が降ったりやんだりで、谷の中を歩きくにはあまり気になりません。水面を落ち葉がさらと流れて行きます。白い石灰岩に紅葉が張り付き、まるで美術品の様に見えます。
しっとりと雨の中
落葉が一面に
紅葉の張り付いた石灰岩は美術品の様
両岸がオーバーハングした廊下に入ると釣り師が二人・・。こんな時間、こんな季節に釣れるのでしょうか?。我々は邪魔をしないようにソーッと背後(岸側)から追い抜こうとするのですが、なぜか追い抜かせてくれません。どうせ、竿を出す時に追い越すのだから競争しても仕方ないだろうと思うんですけど・・。結局、釣り師をパスするのに神経を使い、景色など見る余裕はありませんでした。
屏風岩では釣り師が・・
先ほどの釣り師は仙ヶ谷の出合で一勝負するらしく、竿を出し始めたところでスルー。両側の断崖はまだ奇妙な景観をみせてくれます。岸から大きく張り出した岩は何か指を指しているかのようです。
奇妙な「指差し岩」
いったんは穏やかに
しばらく行くと岩の上に見事な楓が紅く色づき始めていたのでここで休憩です。この楓は谷中の岩の隙間に根を生やし、ここまで育ってきたようです。すこし前だったら「ど根性紅葉」とでもいったのでしょうか。
紅葉の下で一休み
堰堤を超え、池ヶ谷分岐を過ぎると窯を持った4m滝が現れました。これは泳がないと無理なので小岐須渓谷の遡行はここで打ち切りです。林道に上がるとちょうど大石橋なので、そこから大岩谷を目指し、落ち葉の林道を歩きます。
泳がないと無理だね
いったんは林道歩き
林道終点からさらに堰堤をひとつパスしたところから入渓です。登山道を辿った事は何度かありますが、谷通しで歩くのは初めてです。すぐにきれいなナメ滝が現れたので、ここでお昼御飯にします。
きれいなナメ滝
ここでお昼御飯
雨は上がったようですが、日差しがないのでじっとしていると寒さを感じます。のんびりと眺めていたいところですが体が冷え切ってしまわないうちに出発です。5mの斜瀑は直登、紺屋谷出合を越え、黒い岩の5m滝を超えると松木谷との出合です。
5m斜瀑 直登
ちょっとでも濡れないように
松木谷との出合を過ぎると轟々と水の音が聞こえてきます。6m滝の向こうに2段40mの白滝が現れました。手前の6m滝を巻いて白滝の下で滝見物です。
2段40mの大滝は今までの流れからは想像もつかないような迫力です。水量が少ないせいか、水は白い花崗岩の岩盤の上を伝うように流れているだけですが、それでも立派です。直登出来ないか、あーでもない、こーでもないと考えますが、われわれの技量ではちょっと難しい様なので、あっさり巻くことにします。
堂々の白滝
白滝の上も楽しい小滝ゾーンでどれも直登で楽しく遡行できます。ちょっと越えられないな~という10m斜瀑を巻きあがると流れは二股になり、辺りは黄葉に囲まれた穏やかな平坦地になります。高度があがってきたせいか、ガスが下りて来たのか、急に視界が悪くなります。ここから先は見どころも少なく、尾根に上がっても展望も望めないので遡行はここで終了です。
ガスが下りてきた
登山道もここで合流しているので帰路は楽チンです。濡れた落ち場に滑らないように気を付けながら下山します。大石橋から下は車道を歩いて山の家まで戻ります。山にはさらに濃いガスがかかり、水墨画のようです。車に戻り、乾いた服に着替えてさっぱりします。
水墨画の世界