晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

唐谷川から迷岳 2008沢納め?第一段 2008.09.27

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三の滝


<メンバー>

山仲間

 

<山域>
台高

 

<コース>
スメール~唐谷川(遡行)~迷岳~スメール

 

 台風13号が過ぎてからすっかり秋めいた気候になってしまった。9月の最初の頃はまだまだ沢登りを楽しめるだろうと思っていたが、もうさすがに泳ぐのはつらいだろう。何とか水遊びが楽しめる間に今年の沢の締め括りをしておこうという事になった。土日を利用して日帰り沢2本という何とも欲張りな計画。はたして思い通りにいくかどうか。

 

 四日市でZ君と合流し、津でEちゃんをピックアップし南へ向かう。道は渋滞もなく、9時頃にスメールへ到着。今は閉園しているリフレッシュパークなる遊園地のようなものの駐車地に車を停め、準備を始める。

 

 川沿いの雑草の生い茂った道を歩くと右側に登山口が現れ、それを過ぎたところから谷に降りる。最初は平凡な渓相だがすぐに大きな釜をもった小滝が現れる。夏ならまっ先に泳ぐのだが、さすがに泳ぎは辛い気温だ。釜をへつり流れの縁に沿って小滝を登る。次々と現れる小滝はどれも直登可能でとても楽しい。水も思ったほど冷たくない。

 

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入渓ポイント

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大きな釜をもった小滝

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泳ぐのには寒いな

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気持のいい小滝

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直登できるので楽しい

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癒し渓~


 寝不足と長距離運転で動きが鈍かった体もようやくエンジンがかかってきた。順調に登りをこなすと一の滝が現れる。立派な滝だ。だが、みとれてばかりはいられない。さっそく巻き道を探す。ここは左側のザレを戻り気味に登り、登山道まで巻いてしまう。登山道をしばらく歩いて再び流れが見え始めたら斜面を下り、谷に降りる。一の滝の上は明るく開け、日が差し込んで暖かい。

 

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一の滝

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日が差してきた


 いったん流れは平凡となり、黙々と遡行を続ける。高度計を見るとまだ500mにも達していない。迷岳の頂上は1300mあまりなので後800mも登るのかと思うと少々げんなりする。(まだ始まったばかりなのだが・・)やがて現れた10m滝を右から巻きさらに10m、12mと続けて巻く。二の滝らしい一枚岩を流れる幅広滝が素晴らしい。

 

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二の滝

 

 傾斜はいったん緩くなり滑が増えてきてまたまた楽しい癒し渓ゾーンになってきた。滑滝をいくつか越えると前方に巨大な岩壁が見えてきた。

 

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水に浮く落ち葉が秋の気配

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ん、滝?

 

 よく見ると岩壁の上からは水が流れ落ち、落ちる過程でいくつにも枝分かれし、まるで水のカーテンのように広がっている。三の滝だ。断崖を落ちる水が巻き上げる風が頬をなで、辺りがマイナスイオンで満たされる。深呼吸をするだけで体がどんどん元気になって行くような気がする。EちゃんとZ君はシャワーの降りかかる場所まで寄って行ってこの滝のスケールの大きさを楽しんでいる。あんまり濡れると後で寒いよ。

 

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三の滝

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やったー

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ちょいと近くまで

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さぶ~

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三の滝を見上げる


 三の滝も左から大きく巻いていったん登山道まで上がる。ここから上はぐっと穏やかになって行く分退屈な感じ。迷い岳まではまだまだ高低差があるが登山道と谷が交差するところでお昼御飯休憩にする。

 

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三の滝の上は穏やかに


 小滝群を超え、6mのちょっとした滝を巻くと水も涸れ、ガレた沢になってくる。二股を右へ右へ進む。遡行の面白さが失われていくのと同じくらいのペースで登りの辛さが増えてくる。960mの二股辺りで谷を歩くのをやめ、傾斜が緩そうな場所を稜線めがけて登ることにする。

 

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水が切れてからが長い


 途中、獣道やソマ道のようなものを拾って高度を稼いでいくがしんどいのなんの・・。この夏は沢ばっかりやっていたのでこんな登りでは体が重く感じて(実際に重いのだが)仕方がない。エッチラオッチラ標高を200m程稼ぐとようやく稜線の登山道に出た。辺りは立派なぶなの森になっておりとても雰囲気がいい。ただ、稜線がはっきりせず縦走路と言いながら何とも分かりにくい。これが迷岳の所以か?テープに導かれようやく頂上に到着。

 

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迷岳山頂付近
 
 頂上からは気持のいい疎林を急降下しやがて植林帯に入る。この辺りの植林はきっちり整備されているようできれいに間伐されており、明るく快適に歩く事が出来る。
 

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樹林の回廊を下る

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延々と植林の斜面を

 

 急傾斜の足が悲鳴を上げ始めたころに登山道が谷に合流する。後は谷沿いの道を下ればいいだけだ。2の滝を少し下ったところで林道に出た。あとは舗装のしっかりした林道を延々とリフレッシュパークまで歩く。林道の脇にアケボノソウが一杯咲いていた。

 

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林道脇の曙草
 
 車に戻ったのが17時半。なんとか日没には間に合った。あとはスメールで汗を流し、駐車地にテントを張って夕食の準備。たき火はできなかったが、みんなで力を合わせて作ったカレーをうまいうまいとほおばりながら、やっぱり沢はいいねーと今日の遡行を振り返る。

 

 明日は今年の締めくくりでヌタハラ谷遡行が待っている。体力を回復させ中れば行けないので早く寝寝なければ・・と心配するまでも無く、あっという間に眠りについてしまった。