晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

谷尻谷 鈴鹿深部ヤブこぎ遡行の巻き 2008.09.14

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岩堤の滝

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
神崎川林道~愛知川本流~下谷尻谷~北谷尻谷~ジュルミチ谷右岸の尾根~愛知川本流~神崎川林道

 せっかくの3連休だが生憎予定は無い。仕事が忙しく、気ぜわしいので遠征の計画も立てられず。天気が良ければ鈴鹿ひとりテント泊で仲秋の名月でも眺めようと考えていたところに、とっちゃんさん、ハリマオさんから沢登りの御誘い。久しぶりにハリマオさんとご一緒できるな~。

 

 ヤブコギメンバーを中心にもっとたくさん声をかけたらしいが、メンバーはハリマオさん、とっちゃんさん、私の3名。コースは三重側の谷はどうなっているかわからないので愛知川支流の谷尻谷に決定。

 

 今回は南周り、新名神を使って滋賀県側へ。かもしか荘の駐車場で集合し永源寺へ向かう。下流のキャンプ場も営業を再開し、河原にはすでにテントがたくさんならんでいた。

 

 神崎川林道を奥まで走らせる。すでに沢登りと思われるパーティーも準備していた。今回は林道終点まで入る予定だったが、取水堰のすぐ上で土砂崩れ。ここから林道を瀬戸峠からの登山道まで歩き、そのまま入渓。

 

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取水堰のすぐ上で土砂崩れ

 

 本流に降りると水量はずいぶんと少なく感じる。豪雨のあとも結構降ったように思うのだが気のせいか。一週間でずいぶんとちがうものだ。先週と違って河原の様子がよくわかる。これといった違いは見当たらないが、何となく荒れているような感じがする。こんな大岩あったっけ?。

 

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本流 ずいぶんと水が少ないように見える

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巨大な石が動いている

 

 白滝谷出合を越えてすぐの廊下は埋まっておらずほっとする。いつものように泳いで通過したが、水温はぐっと下がっており、もたもたおしていると体の芯から冷えてしまう。

 

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ここは埋まっていなかった(ほっ)

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谷尻谷出合へ向かう(荒れているような気がする)


 谷尻谷出合は以前と同じ姿を見せていた。このチョックストーンの滝をなんとか越せないかじっくり見てみたが、リスクが大きいのでやめ。いつの通り左岸のルンゼを超える。ルンゼがたまっていた岩屑がきれいに吐き出されていた。

 

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谷尻谷出合の滝

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左岸のルンゼは岩がきれいに洗い流されていた

 

 谷尻谷の中は狭い谷に巨石がぎっしり詰まっている。こんなところで雨に降られたらと思うとゾッとする。ここからはたいした登りはないので、極力直登で沢登りを楽しみながら行く。

 

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谷尻谷へ入る

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積極的に直登を狙う

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まだ泳ぎもある

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わざわざそんなところ行かなくても・・

 

 やがて岩溝に真横から滝が注ぎ込む「岩堤の滝」が現れた。いつもここを通過する時は午後になってからなので、日が差し込まず暗い雰囲気の滝だと思っていたが、今日はまだ昼前。頭上から太陽が差し込み明るく気持いい。落葉が水面に舞、何となく秋の風情。

 

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岩堤の滝

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落葉が秋を感じさせる

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滝上は気持ちのいい二次林

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岩堤の滝 上から

 

 岩くぐりを楽しんだりしながら遡行していくとだんだん傾斜が緩くなってくる。そして見覚えのある2条の滝が右側から入ってくるところがコリカキバだ。今日はここから北谷尻谷を目指す。

 

 コリカキ場も上流から流れてきた砂利で大きさが半分くらいになってしまっていた。

 

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日差しが暖かい

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岩くぐり

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コリカキ場 砂利で埋まっている

 

 ここから上流は沢登りとしての面白さは終わってしまうが、雰囲気のいい2次林が広がる最も鈴鹿らしい場所になる。炭焼窯の大きさがこの辺りの森の豊かさを想像させる。

 

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雰囲気のいい二次林

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窯跡


 川幅が広くなった辺りで昼食をとる。ルートはここから支谷を登り、銚子ヶ口から延びる尾根を乗り越してジュルミチ谷に降りる予定。谷の入口の座標がとっちゃんさんのGPSの示す数値と違っており、ひと悶着あったが、GPSが少々おかしいという判断のもとにこれだと決めた谷を登る。

 

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荒れた支谷を登るが


 しかし登るにつれて谷はどんどん険悪な雰囲気になってくる。傾斜は急になり両側の壁が切り立ってきた。足もとは真新しい岩屑で埋まり、内心違ったかなと思いだす。どんつまりの滝を右手に振り、ボロボロの斜面をよじ登って何とか尾根にでた。ふー・・。

 

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どんどん怪しくなる・・

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どんつまり

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ようやく尾根にでた


 結局、とっちゃんさんのGPSが正しかったようで、当初計画したよりも上流側の谷に入り込んでいたようだ。帰路はジュルミチ谷を下る予定だったが、こんなボロボロの岩質の谷を下るのはゾッとするので、尾根をそのまま下って本流まで出る事にする。

 

 尾根は快適とまではいかないが、営林署の赤杭が打ってあり、ところどころにははっきりとした道型が見える。どんなところでも人の痕跡があるのが鈴鹿の特徴かもしれない。途中の鞍部では一升瓶のかけらの他に、ワイヤーや滑車の錆びたものが落ちていた。索道で物資でも運んだのだろうか?

 

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索道でもあったのか?


 P777からは左へ振ってジュルミチ谷の方へ下りるが、これがまた3m先も見えない激ヤブ・・。体中のあちこちに引っ掻き傷を作り、ほこりまみれになってようやく本流へ到着。

 

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下りは激ヤブ

 

 本流はひっそりとしており、つくつく法師のかすかな鳴き声とコオロギの盛んな鳴き声が移りゆく季節を感じさせる。取水堰まで本流を下って行くのは寒そうなので来た道を引き返す。林道までの登りが辛かった事。

 

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やっと本流


 今回は久し振りに未知のルートを地図を頼りに歩いて楽しかった。最近マンネリ気味だったのでいい刺激になった。ハリマオさん、とっちゃんさん、ありがとうございました。

 

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今回のルート(クリックで拡大)