鈴ヶ沢 御嶽遠征沢は滝だらけ 2008.08.17
岩を潜る滝?
<メンバー>
山仲間
<山域>
<コース>
鈴ヶ沢橋-三沢橋-鈴ヶ沢東股-田ノ原
最近、もっと行動範囲を広げようと思うようになってきた。そこで今回目を付けたのは御嶽山の中腹を流れる鈴ヶ沢。事前の情報では難所は無く滑滝の多い楽しい沢らしい。ここなら台高に行くのと時間的に変わらない。今回はサークルで来る事も考えてBやんと二人で下見を兼ねての山行となった。
コースのポイントは帰路。出発地に戻るためには上流でトラバースして中股を下降するのがセオリーらしいが、皆、トラバースに苦労しており、中にはヘッデンのお世話になった記録も・・。今回は初見の沢という事でゴールを田の原にし、下山は車で楽をする事にした。その為には二人で車2台と、何とも財布に厳しいアプローチとなったが仕方が無い。夜中のうちに中央道を走り、朝7時に田の原へ車をデポ。出発地点である鈴ヶ沢橋に車を回送する。
林道のゲート前には先客の車が3台。ゲートを超えてすぐに林道を右折し、20分ほど歩き橋がかかるところから入渓。すぐに中股との分岐を分け右に進む。最初はいくつかの滝があるものの比較的平凡。やがてもう一度林道の下を潜り先に進む。
最初から滑が続くが比較的平凡
やがて前方にこの沢一番の大滝3段30mが現れた。高巻きは左側に明瞭な踏み跡があるが、土がやわらかく頼りにする立木も少なくて少々いやらしい。ある記録ではこの高巻きが核心部とある。なるほど。
バーンと30m
巻きの途中から
少々緊張しながらもそれほど時間もかからず高巻く事が出来た(初心者は少し怖がるかな~)。沢の面白さはこの滝の上から本格的になるようで、一枚岩のスラブを流れる樋状の滝が次々と現れる。
変わった滝が続く
一番の特徴は滑り台のような滝と深い釜。滑り台とはいいながら花崗岩のようなツルツルでは無く、溶岩のざらざらなので滑るとズボンにすぐ穴が空いてしまうだろう。釜の色は不思議な濃い青(紺)をしている。これも水に流れ出す鉱物の関係だろうか。
滑り台のような滝
釜は紺碧
釜が深いので滝に取り付くには泳がなければならないが、標高が高いせいか水は冷たく、泳ぐ気にはならない。Bやんが釜をへつって滝身に取り付こうとしたが、あえなくドボン。たいそう寒かったそうだ。
ここから滝身に飛び込めるか
あえなくドボン
深い釜と滑り台
流れを登るのは簡単
やがて滝の手前に丸い釜が現れた。水は流れ出しているのだが一見流れ込んでいる場所がない?不思議だなと思ったら、滝の流れが岩をくりぬき、水流が下を潜っているようだ。上を流れる斜瀑をへつって登るが、ここは落ちたら吸い込まれそうで少し気味が悪い。
水はどこから?
岩の下を潜ってました
落ちたら大変
左から緑の滑滝が流れ込む二股の釜を超えると水量は少なくなり、沢の雰囲気も少しさびしげになってくる。森が少しづつ薄くなり溶岩が固まった奇妙な岩肌が多く目に着く。やがて右側に大きな洞窟が見える。
滝が二つ流れ込む釜
滝が二つ流れ込む釜
緑の滑
熔岩地帯?
洞窟
さらに進むと際立って透明度の高い釜が現れる(なんでここだけ・・)。ここから先は徐々にゴーロ状になり、両側が立ってくる。三俣(少し分かりにくい)の真ん中を進むと3方を壁に包まれた30mのハング滝(水はチョロチョロ)が現れた。うーん、ここからどうしよう。
ここだけ釜が澄んでいる
岩が多くなる
どんつきになった30mハング滝
持参した記録はトラバースして中股を下降するものだったので、田の原へ向かうルートは自分たちで探さなければいけない。いったん下って三俣の右側に入ったがすぐに行き詰った。結局、どんつきの岩壁を巻く道を探そうという事になり、再び30mハング滝まで戻る。辺りをよく見ると右に回り込む踏み跡を発見。踏み跡に従ってトラバースして行くとアザミのチクチク地帯を越え、岩壁の上部にでる。ここは胸程の高さのある笹の海だった。
笹藪~
しばらく尾根沿いに歩こうかとも思ったが、笹の藪こぎが大変なので沢の音が近づいてきた時点で左側の本流へ下りるた(正解は右の沢へ降りるようだ)。しばらく水を離れただけで大汗をかいてしまう。体をクールダウンし遡行再開。
本流に戻る
後は滑を歩いて車道まで進むのかなと思っていたらこれが大間違い。休む間もなく、小さな滝が次々と現れる。退屈させないという表現よりも休ませてくれないという感じ。直登したり、巻いたりが忙しい。
これでもかと滝が・・
変わった景色が続く
やがて岩の上に小さな花を見つけた。ダイモンジソウだ。鈴鹿では秋の花だがこのあたりでももう咲いているようだ。まだまだ夏本番ご思っていたが季節はこっそりと進んでいる。白っぽい岩に変わり、水が枯れた苔岩の上を歩いて行くと、登山道らしき道にでた。
ダイモンジソウ
岩質が変わり
水が涸れると
こんなとこに登山道があったかななんて思いながら歩いて行くと、やがて車のエンジン音が聞こえてきた。やっとゴールだ・・・。車道に飛び出すと、駐車地から50mも離れていなかった。お疲れ様・・。
田の原にドンピシャ
まあ、今回は初見の谷を歩くという、ドキドキ感とルート探しのタイムロスで想像以上に疲れた山行だったが、鈴ヶ沢そのものは評判通りの魅力的な谷だった。次回来る時はロスも少ないと思うので、大人数でワイワイ登るのがいいか。遠いところをつきあってくれたBやん、ありがとう。
コース