晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

堂倉谷 憧れの名渓再訪 ② 2008.08.03

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 詰めは癒し渓で


<メンバー>

山仲間

 

<山域>
台高

 

<コース>
地池谷出合(泊)‐石楠花谷出合‐正木ヶ原‐大台ケ原駐車場

 


 夜中は寒さで何度も目が覚めたが、焚火は明け方近くまで燃えていたようだ。合羽を着こんでもう一度シュラフカバーに潜り込んだら気持ちよく眠れた。

 

 次の日も絶好の沢日和。焚火をもう一度起こして、体を温めながらのんびり準備をする。湿った沢装備を身につける時はヒヤッとしたが、動き出せばそんなのは気にならない。さあ、今日もがんばりましょう。

 

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今日は晴天

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アゲハが道案内

 

 しばらくはほとんど傾斜のない穏やかな流れを遡る。堰堤を巻きあがると流れは更に小さくなり、上流へ上がってきていることがわかる。シャクナゲ谷出合まではのんびりムード。

 

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すっかり穏やかになった渓相

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二つ目の堰堤(左側巻き)

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透き通る釜

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へつりの練習


 二股を過ぎて水の涸れたゴーロ歩き、左手から入ってくる多段滝(水が少なく貧相)を見送ると、両側が立ってきて廊下帯になってきた。いよいよ連瀑帯の始まりかと少し気合いを入れる。

 

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滝が出てきた

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両側が狭まってきた

 

 シャクナゲ谷出合で小休止した後、いよいよ連瀑帯へ突入。流木で埋まった滝は流木に乗って越え、続く12m幅広は右側をずりずりと這い上がる。しっかりとしたスタンス、ホールドに乏しく、緊張する登りだった。

 

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シャワーで直登

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流木を超えて

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時には流木に乗って

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これくらいはラクチン

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ザックが重いなー


 そしていよいよ核心の2段25m、水量が少なく迫力には欠けるが立ち具合と高度感に圧倒される。ただ、ホールド、スタンスはしっかりしていた記憶があるので、身軽なEちゃんにトップを任せる。

 

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核心の2段25m

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トップはEちゃん

 

 Eちゃんは軽やかに中段まで上がって行く。続いてセカンドはBやん、下から見ているとやっぱり荷物がでかいな~。最後は私で何とか中段までたどり着く。2段目の直登は無理なので左手のルンゼを登り、落ち口へ抜ける。

 

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セカンドBやん

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上から見下ろす


 3人無事クリアーしたら次は溝上3段30m。落ち口が厄介だが、残置スリングがちゃんとこっちを向いていたので、それを手がかりにEちゃんを押し上げる。

 

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溝状3段30m

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最後がいやらしい


 ようやく一息つけると思ったが、滑を超えると3段15mが現れる。去年は確か巻いたが今回は水量が少ないので迷わず直登。

 

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まだまだ続く

 

 斜瀑をいくつか越えると辺りの雰囲気が急に変わってきた。傾斜が緩くなり大きな木があたりを覆うようになる。大台ケ原らしい癒しの風景だ。バイケイソウがあちこちで花をつけていた。

 

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急にやさしくなってきた

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大台ケ原らしい深い森

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バイケイソウが花盛り

 

 水量がすっかり乏しくなった滑滝を歩きながら徐々に高度を上げて行く。この辺りになると一気に暑くなり汗が噴き出す。やっと花に目をやる余裕も出てきて、今回初めてのマクロ撮影。

 

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ナメを歩きながら森へ

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やっと花に目をやる余裕が

 

 水がほとんど枯れたところで谷からあがり背の低い笹を踏んでピークを目指す。周りの木には鹿よけの金網が巻いてあり、管理されている区域に入ったことがわかる。

 

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谷を離れてピークを目指します


 大量にまとわりつく蠅に難渋しながら歩いて行くと、鹿の群れに出食わした。20頭以上はいそうだ。いつの間にか辺りは平坦になっており、遊歩道の柵が見えたと思ったら正木ヶ原の頂上に飛び出した。

 

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鹿の群れと遭遇


 やっとゴールまでたどり着くことができてホッとした。全員怪我なくゴールまでたどり着けて何より。記念撮影をした後は遊歩道を歩いて駐車場まで。これが結構長く感じた・・。

 

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正木ヶ原で記念撮影


 帰りは大宇陀の温泉で汗を流し、Eちゃんを榛原に送り届けて解散。初めて自分たちだけでの谷中泊だったが、無事遡行することができ充実感いっぱいの沢だった。つきあってくれたBやん、Eちゃん、ありがとう。次はどこへ挑戦しようか?