晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御嶽山 御来光登山予行演習 2008.07.05

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あの鐘を鳴らすのはあなた


<メンバー>

夫婦

 
<山域>
 
<コース>
田の原-王滝頂上-剣ヶ峰(往復)

 

 

 妻が富士山へ行くと言い出した。日本人ならいつかは登ってみたい山ではあるが、テレビで見るあの人ゴミには少々うんざりで、個人的な優先順位は低くならざるを得ない。
 
 「富士山っていうのは登る山では無く、見る山だ」と登った事も無いのに言っていたが、妻の中ではそうではなかったらしい。通っているスイミングスクールが主催するツアーに申し込んだようだ。

 妻の初めてともいえる勇気に敬意を表し、精一杯のバックアップをする事にした。(でも一緒には行かない・・)。

 

 スケジュールでは8合目あたりで一泊し、深夜御来光を見るために夜間歩くとなっている。であれば、寝不足でのヘッデン登山を3000m峰で練習しようという事になり、御嶽山へ行く事にした。

 

 金曜の夜、仕事から帰り夕食を取ってから出発。途中のSAで仮眠を取り登山口に到着したのは午前3時。すでにたくさんの車が停まっていた。早々に準備をし、ヘッデンを付けて出発。

 

 樹林帯の中は風もなく快適。初めてのヘッデン歩きに妻は少々戸惑っていたが、道もしっかりしており何の問題もない。赤っぱげあたりで辺りが薄明るくなってきた。なるべく高い場所で御来光を見たいというリクエストにお応えして金剛童子まで休憩なしで歩く。

 

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東の空が明るくなってきた


 富士見岩を超えたあたりで東の空が赤く染まってきた。今日は晴れているせいか雲が少なく、空の染まり具合は少し期待はずれの感もあるが、それでも荘厳な景色が広がる。ちょうど日の出が見える場所まで移動して御来光を待つ。

 

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出てくるか

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御来光

 

 ゆっくりと登ってくる真っ赤な太陽を眺めているとやっぱり厳粛な気分になる。「富士山からの御来光はもっときれいかな~」と妻は早くも富士山モードに入っている。
明るくなると足元の花も目につくようになる。

 

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イワカガミが咲いている

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すっかり明るくなる


 御来光を見たらあとは高所トレーニング。まずは王滝頂上までゆっくりと登って行く。久しぶりの山なのに妻もなかなか順調。このペースで歩ければ富士山も大丈夫だろう。

 

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王滝頂上の山小屋が見えてきた

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うっすらと朝靄

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もう少しだ

 

 ほぼ、コースタイム通りに王滝頂上に到着。鳥居をくぐる前に神様に挨拶をして山頂部に入る。剣ヶ峰が朝日に映えてなんだかかっこいい。八丁たるみで山頂で御来光を迎えた登山者とすれ違う。

 

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きれいな字

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お邪魔させていただきます

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朝日の中の剣ヶ峰

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八丁たるみ(硫黄くさい)


 剣ヶ峰手前の斜面を登り、山小屋の横を通り過ぎるとようやく頂上への石段に到着。ここを登ればやっとゴールだ。頂上山荘はすでに営業をしていて、バイト?のお兄さんが朝の掃除をしていた。

 

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この階段を登れば

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見下ろす


 頂上は神社の境内のようになっている。運よく誰もいないので二人っきりで展望を楽しむ。二の池の雪はすっかり溶けてしまったようで、6月には青かった湖面もなんだか濁って見える。

 

 風を避けて朝ごはんのおにぎりをほおばりながら、360°のパノラマを楽しむ。ただ、霞がかかって遠くまで見通せないのが残念。

 

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鐘を鳴らします

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よく頑張りました

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噴火口

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二の池方面

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乗鞍は霞んで見えない

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王滝方面


 のんびりしていると眠くなってくるので、早々に切り上げて下山にかかる。下からは次々と登山者が登ってくる。たくさんの人から「早くから登ったんだね」と言われ、ちょっと優越感を感じる。妻も少しは自信がついたか。

 

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さあ下りましょう

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緑と雪と青空と

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登ってくる人とすれ違う


 日が昇ってくるにつれ、気温が上がり虫が飛び出す。顔のまわりをブンブンうっとおしいのでタオルで覆面状態で下る。日よけ対策にもなり、妻はお気に入りのようだ。

 

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日焼け対策


 田の原の駐車場に着いたのはちょうど9時。空は雲ひとつなく晴れ上がり、絶好の山日和。久しぶりの山で心配した妻もなかなかのペースで歩いてくれて一安心。これで梅雨明けしてくれれば、来週の富士山は御来光が拝めるよ。がんばってね。

 

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いつの間にか雲ひとつない青空