晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

竜ヶ岳 晴天無風の遠足尾根 2008.01.06

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 竜ヶ岳山頂

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
宇賀渓-(遠足尾根)-大日向-ホタガ谷分岐-竜ヶ岳-(裏道)-宇賀渓

 

 スキーから帰った翌日(6日)も山行の予定が入っている。体はきついが雪と晴天は待ってくれないので、今日が登り初めというD君の待つ宇賀渓へ車を走らせる。今回の行き先は竜ヶ岳。雪の期待できる山は竜ヶ岳以北と踏み、3日に登った藤原岳を省き、御池岳は体力的にきついと考えた結果だ。コースは去年も雪を狙って3月に歩いた遠足尾根をとる。

 

 ポカポカの陽気で春のような宇賀渓駐車場を出発する。売店街を抜け、橋を渡ってすぐの右側斜面に植林帯の中を上がっていく道があるはず。(前回は道無き斜面を急登した)

 

 何に使われていたか判らないコンクリートの構築物の近くにそれらしい入り口があり、そこから斜面に取り付く。植林の仕事道を利用したルートで急斜面ながら比較的歩きやすい道になっている。正月のご馳走ですっかり重たくなった体を息を切らせて引っ張り上げる。

 

 傾斜がゆるくなり、植林の杉がいくぶん太くなってきたらもうすぐ稜線だ。稜線にでたら緩やかな傾斜を登っていく。しかし、どうも倒木が多く勝手が違う。倒木を跨いだり潜ったりしながら進んでいくと、チェーンソーの音が聞こえ、まさに間伐作業をしている所だった。このあたりの植林は結構手入れが行き届いているなと思っていたが、作業に出くわすとはビックリ。

 

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遠足尾根では間伐作業をしていた

 

 チェーンソーのおじさんに声をかけ、先に進むと雪がチラホラと見えてきた。しばらく歩いて大日向に到着。三角点は雪が少なくすぐに見つけることが出来た。

 

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大日向でも三角点が頭を覗かせていた

 

 じりじりと高度を上げ、いつの間にか植林帯を抜けると二次林の尾根になる。雪は20~30cm程積もっているが、しっかりとトレースが着いておりラクラク歩ける。左手に竜ヶ岳のテッペンが見え始めたがまだまだ遠い。
   

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植林帯を抜けると青空が

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竜ヶ岳が顔を見せる(結構遠いなー)
   

  いくつかの小ピークを越えたりトラバースするとなだらかな稜線に出た。雲ひとつ無い青空で最高の展望。(ただし、気温が高いので遠くは霞んでいる)藤原岳も手が届きそうな距離に見える。

 

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3日に登った藤原岳

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笹と雪のミックスのなだらかな稜線が続く

 

 気温が高いせいで樹氷は影も形も見えない。ギラギラと表現した方が良いほどの強い日差しの中、膝までのラッセルで道を切り開く(この少し前で10歳以上若いD君に先頭を交代)。

 

 そろそろお腹が減ってきたのでここで大休止を兼ねてお昼ご飯にする。気温が高いせいか喉が渇く。
   

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それでも膝までのラッセ

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まっさらの雪原

 

 のんびりラーメンをすすっていたら後ろから声が聞こえた。我々のトレースを利用した4人パーティーが追いついてきた。出発の準備をし、ここからスノーシューを装着。さすがに壷足は効率が悪くなってきた。我々がスノーシューをつけているのを見て、後続もワカンを装着。
   

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我々のトレースを利用して

 

 雪は高温の為、やわらかく溶け始めて重い。スノーシューでも膝まで埋まりながらホタガ谷道との出合いを目指してラッセルをする。ふと足元を見るとキツネかタヌキか小動物のトレースが続いていた。

 

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キツネ?タヌキ?

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イタチ?

 

 ホタガ谷道と合流するとトレースもしっかり着いていた。スノーシューを外してもうひと登りすると頂上部が間近に見渡せるようになる。雪は思ったより少なく、笹がまだ頭を出していた。

 

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笹が顔を出している

 

 頂上までの最後の登りではちょうど太陽に向かって登っていくようになる。白い雪に日の光が反射してまぶしい。サングラスを持ってきてちょうど良かった。
   

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山頂までの最後の登り

 

 頂上は予想通り360度遮るものの無い大パノラマが待っていてくれた。ここも吹き曝しなので積雪は少ないが、風が地表にきれいな模様を描いている。誰もいない頂上はとても静かで、しばらく言葉を交わすことも無く、景色に見入ってしまう。

 

 

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 頂上の展望

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御池岳、藤原岳を眺める

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もういちど山頂

 

 景色も存分に楽しんだら後は下山。帰りはシリセードでと考え、ヒップソリを持参したが雪が柔らかく、とても滑れる状態ではなかった。裏道からの帰路は溶けかけの雪に注意しながらスピードを上げてながら降りていく。途中、休憩1回で1時間半ほどで宇賀渓に到着。

 

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遠足尾根パノラマ

 

 車に戻り身支度を整えて15時。前回がヘッデン山行だったが本来はこれ位の時間に降りておくのがちょうど良い。明日から仕事が待っているので早々に解散。今日は気持ちの良い青空と雪に恵まれたが、この暖かさではすぐに溶けてしまうだろう・・。

 

 この冬も雪が少ないのかなーと少し残念な気持ちになりながら帰路についた。