晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

茶屋川から藤原岳西尾根 2007.11.18

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茶屋川の紅葉


<メンバー>

サークル

 

<山域>

 

<コース>
茨川廃村跡-茶屋川-蛇谷出合-藤原岳西尾根-藤原岳-県境尾根-迷い尾根分岐-伊勢谷-茨川

 前日の記録
 夜は思いのほか気温が下がりテントの結露が凍ってしまったが、2重のマットとダウンのシュラフのおかげで快適に眠ることが出来た。ただ、夜間に何かが外を歩いている気配を何回か感じた。トイレに起きた仲間か、それとも鹿か、はたまたぜんぜん別の何かか・・・。

 

 朝は自然にいつも起きる時間に目が覚めた。普段飲まない酒を結構飲んでしまい、頭が重い・・。テントを畳むと何だかテントの中が酒臭かった。

 

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テント撤収

 

 撤収を済ませ、朝食を食べながらラジオで今日の天気をチェック。夜から強烈な寒気が入ってくるらしい。下り坂の天気予報なので行動は迅速に行こう。

 

 9時に今日のみ参加のメンバーも集まってきたので、出発。蛇谷出合までは昨日と同じコース。夕べは寒かったせいか紅葉が進んでいるような気がする。

 

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茶屋川の紅葉(昨日より進んでいるかな)

 

 茶屋川はところどころに植林があるが基本的に気持ちのいい二次林に覆われている。両岸から伸びた枝が谷を覆い、紅葉のトンネルのようになる。空は曇りだが日の光が強すぎず、谷の中が黄色い光で包まれている。

 

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黄金のトンネル

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いい感じ①

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紅葉の下でピース

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谷の幅が狭まってきた


 谷が狭まった辺りで流れが急激に蛇行している箇所に蛇谷の出会いがある。蛇谷は江戸時代の昔、銀山があり、銀鉱脈が蛇のうろこの様に光っていたからこの名がついたらしい。相当の量の採掘量だったらしいが、そんなことは想像もできないような小さな谷だ。

 

 出合で休憩していると雨が降ってきた。急いで合羽を着込み引き返そうか迷っていると、メンバーからとりあえず行ける所まで行って見ようとの声。

 

 まだ、本格的に崩れる気配名無いようなので、尾根に取り付き急斜面をよじ登る。この辺りもまだ充分に綺麗な紅葉が残っていた。

 

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斜面のいい感じの紅葉

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ふかふかの落ち葉


 急斜面を30分ほど登ると傾斜が緩やかになり、雰囲気のいい場所にでる。あたりはシロモジやぶなも少しある気持ちのいい二次林だ。晴れていたら尚いいのになー。でも、ガスがうっすらとかかり幻想的な雰囲気。フカフカの落ち葉の絨毯を歩くのが気持ちいい。

 

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しっとりといい感じ

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落ち葉の中を

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落ち葉の中を2


 やがて、藤原岳の西斜面が見え始めると、滋賀県側の谷からガスが沸きあがってくる。典型的な冬型。空の雲はめまぐるしく流れていき、一瞬ではあるが太陽も顔を覗かせる。

 

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谷からガスが上がってきた

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頂上直下の西斜面

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一瞬の太陽

 

 気温が低いせいか、それほどバテずに藤原岳頂上にたどり着く。歩き始めて約2時間半、結構いいペースだ。昼食の時間だが、風が強いのでともかく下りることにする。南を見ると鈴鹿山系の上空に黒雲が低く立ち込める。孫太尾根の先の下界を見るとやっぱり晴れているようだ。

 

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何はともあれ頂上です

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低く立ち込める暗雲

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下界(三重県側)は晴れているようだ


 藤原岳山頂から治田峠までの県境縦走路は、いやになるくらいの急傾斜を下りることになる。ずるずるとすべるのをこらえながら、木につかまり下りていく。時折雨が降り、あまりのんびり歩いていられないな。

 

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落ち葉の急斜面を下る


 天気によっては茨川まで昼食抜きで歩こうかとも思ったが、空腹に耐えかねたメンバーからご飯を食べようとの声があがったので、風を避けられる窪地を見つけて昼食。気温が低く、ガスの着きが悪いのでなかなかお湯が沸かない・・。ツェルトをかぶって風を避け、なんとかお腹を満たすことに成功する。

 

 迷い尾根分岐で時間を短縮するため、治田峠に行かず、迷い尾根を経由して直接茨川に行こうとか考え、コンパスでコースをたどり始めた。しかし、二つ目のピークから下る尾根を一個間違い、植林の急斜面を下って結局伊勢谷にでてしまった。雨で地図を確認するのを怠ったためか・・、失敗。

 

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伊勢谷の紅葉


 伊勢谷は荒れてはいたが、ところどころに綺麗な紅葉が残っていた。やがて、突然巨大な堰堤が現れると後は、人工的にならされた道を通って茨川へ帰着。やれやれ。でも、雨もパラパラで済み、なかなか楽しい山行だった。登ってよかったなー。

 

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茨川へ戻ってきた


 風が強く、寒いので早々に解散。またデコボコの林道と石グレ峠のクネ道を走るかと思うとうんざりするが、なんとも楽しい二日間だった。ゆっくり山に泊まってなんだか充電されたようだ。さあ、寒気が本格的に来る前に帰るとするか。

 

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今回のコース