廃村跡に今も残る往時の民家(現名大ワンゲル小屋)
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
茨川廃村跡-茶屋川-蛇谷出合-三筋の滝-(往復)-茨川廃村跡
先週に引き続き、
鈴鹿の紅葉の名所を訪ねる。三週目の今回は茨川から茶屋川あたりを散策してみる事に。せっかくなので茨川の廃村跡でテント泊をしてみよう。仲間とのんびり語り合うのもいいだろう。
茨川とは
鈴鹿山系の
滋賀県側、
藤原岳の
山麓に昭和40まで存在した山間の村である。三重件側、
滋賀県側どちらへ行くにも厳しい峠をしなければいけない、厳しい立地条件で、なぜこんな所に集落が出来たのか、当時の生活の様子はどんなだったか等など興味の尽きない場所である。
※詳しくは
鈴鹿樹林の回廊のハリマオさんが、詳しく調べているので興味ある方はご覧ください。
www.cty-net.ne.jp
茨川へ向かうには
酷道421号線の難所、石グレ峠を越えてさらに10kmあまりの未舗装の林道を走らなければいけない。あまりにも余裕を持ちすぎて出発した為、ずいぶんと早く着いてしまった。仲間が到着するまで辺りを散策することにする。まずは村の中をウロウロ。
廃村時には11戸の建物があったようだが、現在はほとんどがなくなっている。現存するのは「名大
ワンダーフォーゲル部」の小屋になっている筒井邸と八幡工高山岳部小屋になっている分教所跡だけである。
家屋の礎石や台所の跡を見ると当時の生活がどんなものであったか想像が膨らむ。
家屋の跡
台所の跡か
現存する当時の民家(現在は名大ワンゲル小屋)
茶屋川の対岸には集落の規模にしては立派な神社が建っている。現在でも茨川に縁のある人が掃除に来ているのだろうか、きれいに整っている。境内の両脇にはその昔、人に担がれて峠を越えてきたと言う石の狛犬が鎮座している。台座には大正十三年・・・寄進の文字が見える。
立派な神社
神社の狛犬
大正十三年と読める
まだ、仲間が来るまでしばらく時間があるので、茶屋川を少し下りてぶらぶら紅葉見物に出かける。茶屋川の両側は楓が多く、なかなか風情のある紅葉を見せてくれる。色付きは赤く染まる前の黄色いものが多く、まだピークに達していないような感じ。ただ、強風のせいか河原は落ち葉でいっぱいに埋まっていた。長靴を履いて流れに入り、ザブザブと渡渉を繰り返しながらのんびり写真を撮る。
落ち葉で埋まった河原
長靴でザブザブ のんびりと
茶屋川の流れ
黄金色の楓
そうこうしていると仲間がやってきた。仕事で二人遅れるようだが夕方には付くと言う。早速お昼ごはんを食べ、村の分教所の校庭にテントを張る。
分教所の校庭にテントを張ります
今日は山に登る予定は無いので今度は茶屋川を遡り三筋の滝まで散策する事にする。空は晴れ、風の無く穏やかな天気の下、やはり長靴をザブザブ言わせながら歩き始める。
茶屋川は昔、岩魚などの渓魚宝庫だったと言われるがが、土石で埋め尽くされた谷にその面影は無い。ただ、小さな流れ込みのある淵では小さな稚魚が群を成していた。
小さな淵には稚魚がいっぱい
上流側も楓が多く、きれいに色付いている。陽光を透かして輝いている紅葉下から眺めているとしみじみ秋を感じる。こんな景色を独り占めできるなんて、なんて贅沢なんだろう。両岸を彩る黄葉に混じって、葉を真っ赤に染めたもみじが現れ、ハッとする。
立派な楓
穏やかな流れを遡る
辺りを紅く染めるもみじ
この前の寒気でずいぶん冷えたので、この辺りの紅葉も峠を越したのかと思ったが、まだピークを迎える前の木もたくさんあるようだ。それでも色付きはすばらしい。今年は紅葉の当たり年だったのだろう。木々の隙間からはるか頭上に
藤原岳の天狗岩が見える。
紅葉はピークを迎える前か
藤原岳の天狗岩が覗く
歩き始めて1時間ほどで三筋の滝に到着。実はこの滝を見るのは初めてなので少し感動する。茶屋川はこの滝を境に真の谷に名前を変える。見る限り、滝は一筋で三筋と呼ばれていた頃はもっと水量が多かったのだろう。滝の下でゆっくりお茶を飲んで休憩。今度はここをさらにあがって御池まで歩いてみたい。
三筋の滝
のんびりしていたらいい時間になってしまった。さあ、テン場に戻って宴会の準備だ。帰りは行きと光の向きが違うのでまた違った景色を見せてくれた。紅葉の下で物思いにふけるZ君、何を考えているんだろうか・・。
紅葉の下で何を想う
テン場に戻ると早速宴会の準備。テント泊といっても今回はオートキャンプ状態なので、重荷を気にせず贅沢な食事が出来る。特別メニューのすき焼きの材料を鍋に投入しながら、焚き火の準備をする。最近雨が降っていないせいか、近くに落ちている流木はどれもよく乾いていていい焚き火が出来そうな感じ。
夕暮れとともに、残りのメンバーもテン場に到着したので、焚き火に点火。楽しい夜の始まりだ。
夜はやっぱり焚き火が無くっちゃ
すき焼きを粗方食べた後はさらにうどんを投入してお腹がいっぱいになるまで食べる。夜は冷えてきたので焚き火とうどんで体の中と外から温まらなくてはいけない。
お腹がいっぱいになった後も宴会は続く。焚き木もお酒も楽しい話題もまだまだたっぷりとあるのだから。
いつの間にか辺りは真っ暗になり、聞こえるのは我々の話声と川のせせらぎ、焚き火のはぜる音だけだ。
焚き木が無くなったらお開きにしようと考えていたが、火の勢いはどんどん強くなるので、宴会もまだまだ続くのだろう。頭上にはたくさんの星が瞬いていた。
二日目へ続く