向こうまでなんだか歩いていけそうだな
<メンバー>
単独
<山域>
御岳山
<コース>
田の原-王滝頂上-剣が峰(ピストン)
5月はなんだかんだで3回山での泊まりがあった。そのせいか、身の回りの雑事が少しずつ溜まってきてコリャいかん、てな感じになってきた。それでもやっぱり山へは行きたい・・。
先週は距離を稼ぐトレーニングだったので、今週は高さを稼ごうと考えた。とはいっても、なるべく簡単に済ませたいので、コースタイムの短い御岳山の田の原コースへ行くことにした。
仕事を早々に引けて、夜の早い時間には田の原の駐車場に着こうと思ったが、出かける前にドタバタして、結局、田の原着は12時半。足を延ばせない車の後部座席に丸まって寝ようとしたが、寒くて寒くてなかなか眠れない。シュラフを持ってこなかったのは失敗だった。
寝たのか寝ていないのかわからない状態だったが、腹ごしらえを済ませ、何とか5時半には行動開始。鳥居のすぐ側にも雪が残っていた。どうりで寒いはずだ。
起きた時には雲が気になったが、御嶽山が何とか姿を現してくれた。
起きた時には雲が気になったが、御嶽山が何とか姿を現してくれた。
田の原駐車場より
うーん でっかい
参道のような砂利道を過ぎると小さな観音様が奉ってある。この先からは雪が結構残っている、久しぶりの感触と、まだ起ききっていない体の為、ふらふらしながら登って行く。赤っぱげあたりまで来ると空もすっかり明るくなり、気持ちのいい景色が開ける。
大江観音
赤っぱげ付近
歩き初めて30分を過ぎるが、どうも体が重い。疲れているからなのか、寝不足なのか・・。GPSの気圧計は735hpaを指している。平地の空気の70%しかない(その影響か?)。
金剛童子
ふと、前を見ると先を歩いていたカップルの方が手招きをしている。近づいて行くと指を口にあてて「しー」のポーズ。前のハイマツを見るとライチョウのカップルがいた。まさか、今日見ることが出来ると思っていなかったのでラッキー。
ライチョウ(♀)
ライチョウ(♂)
ひとしきり写真を撮ると周りがガスってきた。斜面を這い上がる雲が追いついてきたのだろう。しばらくは雲と追いかけっこをしながら、ガスったり晴れたりを交互にしながら高度を上げて行く。富士見岩を過ぎるといつの間にか雲海の上に出ていた。
雲が駆け上がる
富士見岩
いつの間にか雲海の上に
上を見ると王滝頂上山荘がだいぶ大きくなっている。目の前には雪渓が横たわっていて結構な傾斜だが、先行者のトレースがしっかり着いているので、アイゼンは着けずキックステップで上がる。
雪渓を登る
雪渓から下を眺める
ふいにカエルの鳴き声のような奇妙な音を耳にした。あたりを見渡すと、岩の上にきれいな雄のライチョウが首を伸ばしている。見張りでもしているのだろうか。そーっと近づき写真を撮る。
縄張りを見張るライチョウ(♂)
雲海とライチョウ
気がつくと、目の前には雲海が本当の海のように広がり、南アルプスの山々の頂が島のように雲の上に顔を出している。今日はこの景色を見るために来たようなものだ。しばらくボーッと景色を眺める。
雲海①
王滝頂上直下の斜面を登りきると神社にでた。まだ半分近く雪で埋まっていてさすが3000m峰だ。去年6月の中旬に来たときは雪はすっかり無かったのに。神社を過ぎ、八丁だるみと呼ばれるところを歩く。剣が峰がまだまだ先に見える。
王滝頂上神社
火山ガス
八丁だるみより剣ヶ峰
王滝頂上を振り返る
御岳神社奥社
乗鞍と北アルプスの山々
先に頂上についていたカップルは和やかに談笑中。こちらは息をぜいぜい言わせながら登ってきたのに・・。案の定、写真撮影を頼まれるがここは笑顔で引き受ける。
雲上デートのお二人
頂上からは360°の大パノラマが広がり、自分が神様になったようなそんな気にさせる。火口の中はまだびっしり雪が詰まっており、お鉢めぐりをしたようなトレースは見えない。
シリセードで火口へ降りて行き、二の池を回ってこようかと、強い誘惑に駆られるが、中がシャーベット状に解けていたらいやなので断念する。
二の池
何気無く携帯電話を見たら、アンテナが3本立っていた。田の原から直線距離で2km程度なので当たり前か。家に電話をかけようと思ったら、不穏な番号(会社関係)からの不在着信・・・。
あっという間に現実に引き戻され、慌てて下山することに。(後で確認したら大したこと無くてホッ)
下山は田の原まで1時間半ぐらい。鈴鹿で御在所に登るくらいのコースタイムだ。コレくらいで3000mの景色が眺められるのは何とも不思議な気分。こんどは仲間を連れてきてみよう。
王滝村へ下りる道路では、自転車のヒルクライムレースをやっていた。通行止めで1時間弱、見物していたが、のんびりしてなかなかいいもんだ。ぽかぽかの太陽とカッコウの鳴き声に、思わずコクリコクリと居眠りをしてしまった。