クマガイソウ
<メンバー>
単独
<山域>
前日までの雨と寒冷前線の影響で下がった気温の為、道の脇の花は濡れそぼっている。良く見ると花の主役はすっかり入れ替わっており、今の主役は、オドリコソウとヤマブキソウ。早春の可憐な花と比べるといくぶん逞しい感じがするのは気のせいか。
クルマムグラ(いたるところで見かけました)
斜面を覆うヤマブキソウの群落
オドリコソウ(茎を中心に輪になって踊っているよう)
雨に傷んだイチリンソウが咲いていた。思ったより大きいので驚いた。その傍らには丁寧に梱包された葉っぱの小包を見つけた。オトシブミだ。これを見かけるようになると初夏を感じる。それにしても昔の人は粋な名前をつけたもんだ。
オトシブミ(なかに卵が産み付けられている)
どんどん山深く入って行くといつの間にか登山道はなくなり、昔の炭焼き道をたどることになる。薄れた途切れ途切れの道型をたどり、炭焼き窯あとで休憩。崩落箇所のトラバースや獣道に迷い込んだりして、ようやく目的の場所に近づく。エビネが咲いていた。
エビネ①
エビネ②
この辺りで風が強くなり、雨も降り出してきた。いい加減悪路を歩くのにうんざりしてきたが、目当ての花を探し当てるまで頑張るつもり。少し移動すると木が少し開けた。すると、今まで不調だったGPSが衛星をキャッチし、目当ての場所までの距離が正確に計測できた。みると後30mにまで迫っていた。ザックを置いて、カメラとGPSを片手に斜面を這いずり回る。そしてようやくたどり着いた。なんだか宝探しをしているような気分。
クマガイソウ①
クマガイソウ②
しかし、実際に咲いているのは初めて見たが、見れば見るほど変わった花だ。この形にも何らかの意味があるのだから、改めて自然の不思議さを感じてしまう。盗掘の被害にあってどんどん姿を消しているらしい。まったくひどい輩がいるもんだ。
帰路はもと来た道を戻るのはいやなので谷筋をおりて帰ろうと思ったが、これがまた厳しい谷だった(甘く見ていた)。登山靴では非常に気を使い、おっかなびっくりのへっぴり腰になってしまった。小さなゴルジュと淵に阻まれ、巻くこともしばしば・・。近道をしようとして逆に時間がかかってしまった。下山路に未見の谷を使ってはいけないという鉄則を守らなかったのは反省・・。
何とか尾根に上がろうと急斜面を登ると思いがけなく穏やかなコバに行き当たった。雨が降ってこなければのんびりしたいところだ。
思いがけなくたどり着いた雰囲気のいいところ
しばらく歩いていると鉄塔巡視路にぶつかった。これをたどれば比較的楽に歩けると思い、たどり始める。尾根に上がる頃には鉄塔がガスに覆われていた。
ガスが出てきた・・
尾根に乗ってしまうと後はハイウェイを走るようにペースを上げる事が出来る。足元ではイワカガミが見頃を向かえ、シロヤシオも花をつけていた。
イワカガミ
登山口に戻れたのは歩き始めてから7時間後・・。悪天と悪路に苦戦したが、目当ての花も見ることができ、いい山行だった。でも疲れたー。