晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

仙ヶ岳から御所平周遊 2006.12.02

御所平より仙ヶ岳

御所平より仙ヶ岳を望む


<メンバー>

単独

 

<山域>

 

<コース>
田村川林道~割谷右岸尾根~県境稜線~仙ヶ岳~御所平~御所平南端部~小太郎谷~田村川林道
 
 引越しも妻の奮闘でなんとか片付き、週末は山行きにOKサインが出た。この時期は紅葉も終わり山は冬枯れの様相となる。どこか展望のいいコースを歩こうと思い、仙ヶ岳から南へ、未踏の県境稜線を御所平へ歩くことにした。

 

 登山口は田村川。車で鈴鹿峠を超え、黒滝集落から田村川林道に入りしばらく走る。林道が川を越えた所で車を止め、林道沿いに歩きはじめる。20分程で割谷に出る。今回はこの谷の右岸の尾根を登る。けっこう歩かれているようで入り口にはちゃんと道標はあった。深い谷底にようやく日が差し込んできた。よし、出だしはまずます。

 

割谷への取り付き

取り付き ちゃんと道標がある

割谷

深い谷の底にも朝日が差し込む

 

 このあたりは杉や松などの常緑樹が多く、地質は鈴鹿南部特有のザレザレの花崗岩。最初は快適な尾根歩きだったが、両方が切り立ったやせ尾根になってきた。木の根をつかみ尾根をよじ登る。やせ尾根に張り付いた木が生命力の強さを思わせる。

 

痩せ尾根に張り付く木の根

やせ尾根に張り付く木
 
 急登をこなし、高度を上げて行くと県境稜線が近づいてきた。歩き始めて1時間半ほどで宮指道路岳と仙ヶ岳の間に飛び出る。好展望を期待したが空気は霞んでいて遠くは見渡せない。仙ヶ岳のシルエットが逆光の中に浮かんでいる。北を見れば鎌、御在所が遠くに霞んでいる。

 

仙ヶ岳のシルエット

仙ヶ岳のシルエット

霞む御在所、鎌ヶ岳

北には鎌、御在所が霞んでいる


 小社峠を越え、仙ヶ岳山頂に到着。昼食には早いので早々に出発する。仙ヶ岳西峰には寄らず西へ降りて行く。御所平へは一旦急降下し、峠を登り返すことになる。南尾根の小ピークが連続する様子がはっきり解る。西には御所平が寝そべった牛の背のように見える。

 

寝そべっているような御所平

寝そべっているような御所平

西峰の頂と南尾根の小ピーク

西峰峰の頂と南尾根の小ピーク


 峠を越え、登り返すと笹原が広がる御所平の尾根にでる。一気に展望が広がる。日差しを浴びての散歩を期待したが風が強く結構寒いので足を速める。時々、藪がガサガサする音が聞こえたかと思うと、鹿が急いで逃げ差って行く。あまり人が来ないところなので驚いているようだ。

 

 萱原の平原は遠くから見るとゴルフ場を思わせる。別に手入れしているわけではないのだが、整然とした美しさがある。

 

御所平への尾根

尾根に乗った

御所平より仙ヶ岳

御所平より仙ヶ岳


 御所平の上はどこがピークだかわからないようななだらかな尾根。稜線上に残る鹿除けネットの残骸に気をつけながら南端部を目指す。景色はいいのだが、空が段々暗くなってきた。雲行が怪しいので先を急ぐ。

 

ススキと萱原

ススキと萱原の牧歌的な風景

ゴルフ場みたい

手入れされているよう

 

 台地の南端にあたるピークで仙ヶ岳を振り返る。いい景色だ。県境縦走路はここから左に折れて行くが、時間を短縮する為、真っ直ぐ進み、小太郎谷の右岸尾根を降りることにする。

 

 南端部から少し降りると萱原に馬酔木の木が点在する不思議な場所にでた。のどかな景色にしばらく目を奪われる。(後で調べたらグミの木平と呼ばれている場所らしい)

 

仙ヶ岳を振り返る

仙ヶ岳を振り返る

グミノ木平
突然ひろがるのどかな風景(グミの木平?)

 

 ここから鹿除けネット沿いに尾根を下り、小太郎谷が田村川と合流する付近で谷に降りる予定だったが、肝心の地図を忘れてしまった。2万5千図の「伊船」は持っていたが「土山」が無い!。

 

 まあ、方向はわかっているし大丈夫と思って先に進んだが、これが失敗。方向を90度間違え、急斜面を下り、小太郎谷のうんと上流部に出てしまった。なんとか谷沿いを下るが滝が出てきたりしたので尾根に登り返し、林業の仕事道をたどってなんとか田村川にたどり着く。1時間のロス。こんなミスは久しぶりだ。やっぱり初めてのルートを舐めたらいかんなー、と強く反省。

 

 無事帰れたことにほっとしながら林道を歩いていると雨がぽつぽつ降ってきた。見上げると空は鉛色の雲に覆われ、一気に冬の空になっていた。

 

今回のコース