晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

愛知川からブナ清水 のんびり昼寝山行  2006.04.08

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鈴鹿中部の春の使者 梅花オウレン

 

<メンバー>
単独

 

<山域>

 

<コース>
朝明~根の平峠~タケ谷出合~小峠~御池谷~コクイ谷出合~上水晶谷右岸尾根~県境縦走路~ブナ清水~朝明

 

 4月の上旬・・山(鈴鹿)では雪は解けて、花が咲き始める。しかし、それは藤原以北の話であって、御在所を中心とする中部に華やかさを見る事はまだできない。

 

 翌週にイワウチワを見に行こうと思っているのだが、先週は雪が降ったようである。花のつぼみは膨らんでいるか?。下見がてら久しぶりに愛知川あたりをぶらついて見ようかと考えた。

 

 4月になれば朝明駐車場にはもう「500円おじさん」がいる。車を停めるとすぐに飛んできて500円を請求する。わずか500円だが無条件に徴収されるのでいつも不愉快になる。今日は天気予報が良くないので停まっている車は自分を含めて2台。朝明観光協会はこの駐車場からいくらの"あがり"を得て、おじさんへいくら報酬を払っているのだろう?
(閑話休題)

 

 根の平峠への道は伊勢谷沿いを遡って行くことになるが、この時期の山道はまったくつまらない。雪は消えたが、花も無く、若葉の緑もない。ただ、葉を落とした木々が曇り空のしたに広がるだけ。唯一春らしいものといえば、この時期に真っ先に花を咲かせるショウジョウバカマがチラホラと見えるのみ。

 

 

 見所も無いので意識的に飛ばして歩く。根の平峠で小休止したあと、愛知川に向って下りて行く。タケ谷出合に着いても周りの雰囲気は全く変わらず、疎林に落ち葉の積もった道が淋しい。

 

 道中にイワウチワの葉が見られる。目を凝らすがつぼみの痕跡も見当たらない。来週の山行はどうしようかと思案しながら歩いていると急に雨が降ってきた。

 

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愛知川沿いの道

 

 こうなれば今日はトレーニングに切り替えるしかない。合羽を着、小峠へむかう。ここは昔、鉱山への道として使われたらしいが、上部は浸食が進み、とても歩けたものではない。斜面に生える木をつたいながら何とか峠にあがる。

 

 峠から西はイブネクラシの台地へあがる道となっているようで、テープがたくさんついている。一方、御池谷方面への下り道は今登ってきた道よりはっきりしており、イブネ・クラシへのメインルートになっているようだ。

 

 再び、河原へ下りると雨は上がっていた。予報ではこれから回復するようなので、合羽を脱ぎ、昼食にする。しかし、何度も言うが周りの景色は冬よりも寒々としてつまらない。今日は早く帰って野球でも聞こう(ラジオなので)。帰りにブナ清水へ寄って水を汲んで帰れば土産にもなるだろう。
               

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愛知川①

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愛知川②(春の小川・・までいかない)

 

 コクイ谷出合から上水晶谷を越え、右岸尾根を登る。尾根上の日当たりの良いところなら・・と少しは期待したが、花はまったく咲いていない。黙々と高度を上げる為だけに足を前に出し続ける。

 

 雨はあがり、雲は切れたのに空が霞んでいる。どうも黄砂が飛んでいたようだ。
雪も無く、花も無く、緑も無く、展望も無い・・こんな日は早く帰ろう。

 

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黄砂に煙るイブネ・クラシ

 

 県境稜線にでると、まだ雪が残っていた。これでは花はまだだろう。当然、だれとも会わない。腰越峠への分岐を進み、ブナ清水へ下りると、そこにはいつもの清水が湧出る静かな空間が広がっていた。

 

 泉のせせらぎを聞きながらぼんやりしていると眠たくなってきた。日も差してきて暖かく、遠くに鳥のさえずりも聞こえる。ザックを枕にいつの間にか寝てしまった。

 

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ぶな清水の湧出る大岩

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岩の奥から湧きだす泉

 

 小一時間程うとうとしてしまった。もうそろそろ帰るとしよう。今日は面白みに欠ける山行だったが、最後にのんびりすることができた。こんどは新緑の頃にもう一度来て見よう。

 

 3リットルほど水を汲み、ブナ清水を後にする。足元には梅花オウレンが可憐な姿を見せていた。まだまだと思っていたが、春は確かに近づいてきているようだ。

 

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梅花オウレン①

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梅花オウレン②

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梅花オウレン③