晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

綿向山 樹氷と青空とシリセード  2006.02.18

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綿向山から雨乞岳を望む

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース>
西明寺~表参道~行者コバ~綿向山山頂~行者コバ~表参道~西明寺

 

 今年8回目の山行はサークル仲間との綿向山だ。鈴鹿山系の西側に位置する綿向山は、鈴鹿越え3峠(武平峠、石グレ峠、鞍掛峠)が閉鎖となる冬期は愛知県からのアクセスが大変だが、山頂から見える雨乞岳への大展望が素晴らしく、雪が楽しめる良い山である。

 

 西明寺の登山口から表参道を登る。3日前に降った雨のせいで雪はすっかり融けている。去年同じ時期に歩いた時は3合目のアザミ小屋までシリセードで下りて来たが、登山道に雪は全く無い。融け残ったわずかな雪が氷になっているので足元に注意が必要だ。

 

 5合目の小屋に到着。ここでアイゼンを装着する。今日は気温が低く樹氷が期待できそうだ。これに青空が加われば山頂の眺めは素晴らしいものになるだろう。

 

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5合目小屋に到着(2004年にリニューアル)

 

 5合目から上は樹氷がちらほらと現れる。最初は杉、そして徐々にニ次林へと変わってゆく。

 

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樹氷が現れる

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ブナ林の樹氷

 

 7合目の行者コバに着くと樹氷も本格的になり、氷の回廊の中を歩くようになる。遊び好きのメンバーは早速、樹氷を仲間の頭に散らして雪のかけ合いをはじめた。妻は樹氷をほおばっている。腹こわしても知らんで~。
                 

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行者コバ

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樹氷を散らして遊ぶTちゃん

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氷の回廊

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樹氷をほおばる(お腹こわすで~)

 

 7合目から上は冬道の急斜面を上って行くことになる。足元の雪は堅く締まりアイゼンの効きが心地よい。息を弾ませながら斜面を駆け上がっていく。先週は軟らかい雪の中をもがいていたが、今日は堅い氷の上を順調に高度を稼ぐことができる。
 

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ときおり青空も

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気温は低いまま

 

 程なく傾斜が緩くなってくると氷の樹林から展望が開ける。正面にイハイガ~清水の頭~雨乞岳へと続く稜線が見える。稜線状の木々は真っ白な氷で覆われ空もガスで真っ白だ。今日は晴れの天気予報だったが雨乞岳の姿が拝めるかどうか微妙なところである。
 

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イハイガ~雨乞への稜線もガスの中

 

 竜王山への分岐を過ぎ、立派なケルンが見えるとそこはもう山頂である。気温は低いが風は無いのでここでしばらく遊んでいても大丈夫だろう。さっそく仲間たちはシリセードの準備(100円カッパを重ね着したり、肥料の袋を取り出したり)に取りかかる。
残念ながら雨乞岳への展望は、ガスの為、無い。

 

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綿向山山頂へ到着

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雨乞岳はガスの中
                 
 展望は望めないが時間はまだ昼飯前である。本日のメインイベントでもある「綿向山山上シリセード大会」の始まりだ。遊んでいるうちにガスも晴れてくるだろう。

 

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とりあず滑りますか

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晴れてきたかな?

 

 今日のゲレンデコンディションは雨の後のせいか決して良くは無い。しかし、そんなことにはお構い無しの面々は半分アイスバーンとなった斜面を嬌声をあげて滑って行く。

 なんでも「連結」するとスピードが増し、スリルが増すらしい。2連結から4連結へとエスカレートしていく。

 

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シリセード!! まずは2連

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転がるZ君

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4連(ムカデシリセード)

 

 妻もみんなと一緒に滑っているが、彼女のカッパは昨シーズン購入したばかりのゴアテックスである・・お尻の摩擦具合に何時カッパに穴が開くか心配になる。(メンバーの中には既にお尻がズタズタのツワモノもいる)

 

 シリセードが一段落すると青空が広がってきた。一気に目の前が明るくなる。東を見れば鎌ヶ岳、雨乞岳、イブネ、クラシも見えてきた。写真撮影の時間だ。
鈴鹿のはるか向こうには御岳山も見える。

 

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鎌ヶ岳をバックにハイポーズ

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集合~

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雨乞岳がようやく姿を見せる

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あれが清水の頭やで

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山頂には青空が

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樹氷(砂糖菓子のよう! 談:妻)

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左からクラシ、イブネ、雨乞岳、鎌ヶ岳

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樹氷と雨乞岳

 

 目まぐるしく変わる景色に見とれながら写真を何枚も撮る。やはり雪山には青空が良く似合う。みんなのお腹のムシが泣き出したので急いで下山する。今日は5合目の小屋で鍋を囲む予定だ。

 

 5合目に着くころには空はすっかり晴れている。しかし空腹の為、景色を眺めている余裕は無い。小屋に入り、背中の食材を広げると後はワイワイ、ガヤガヤ楽しい食事の時間である。

 

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宴会場にもなる5合目小屋

 

 ちなみに鍋の中身は、豚肉、もち巾着、まるもち、きのこ各種、ホタテ、えび餃子、餃子、ミズナ、ねぎ、仕上げはラーメン。味付けは味噌ベースの豆板醤仕立て。大食漢が私を含めて3人いるが、最後はみんなお腹いっぱいになってしまった。

 

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豪華な昼食(腹いっぱいです・・)

 

 重たいお腹をかかえての帰路だが下りは楽ちんである。もうすっかりひと気の無くなった登山道を小走りに駆け下り、駐車場へ到着。ここから更に池田牧場へアイスを食べに行く。(あくまでも貪欲なメンバーである)

 

 閉店30分前には池田牧場に到着、ジェラートのダブルを食べた時点で完全にカロリーオーバー山行となった。

 

 しかし、良く遊び、良く笑い、良く食べた。本当に楽しい一日だった。これで平日のつらい仕事も乗り越えられるというもの。一緒に過ごしてくれた仲間たちに感謝。