晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

台高 堂倉谷 沢登り 7度目はハプニング遡行 ① 2022.07.23-24

スケールおっきいなあ~

 

 <メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 13名

suzuhaisecure.sakura.ne.jp

<山域・形態>

台高・沢登

 
<コース:1日目>

大台ヶ原P(8:05)~日出ヶ岳(8:45)~堂倉小屋(10:05)~堂倉滝下(11:05)~堂倉滝上(11:40~12:45)~アザミ谷出合(14:55)~奥七つ釜(15:20)~林道上(16:55)~地池林道上・泊(17:35)

 

 大台ヶ原に源を発する堂倉谷は、はなごんさんに連れられて初めて泊った沢。その美しさ楽しさを仲間達にも体験して欲しく、これまで6回遡行したお気に入りの沢です。

 

<初めての堂倉谷の記録:2007年>

ikuyayuuki.hatenablog.com

<6回目の堂倉谷:2017年>

ikuyayuuki.hatenablog.com

 

 今年、沢リーダーを積極的にやっているなべちゃんが企画するのでサポートのつもりで参加表明。前回の企画から5年ぶりという事もあり、13人のメンバーが集まりました。

 

 気合を入れて乗り込んだ大台ヶ原駐車場はなぜか小雨が降っています・・・。天気予報では徐々に回復方向なので気にせず出発することに。そしていきなりハプニング発生!たばっちが沢靴を忘れたと言うのです。幸い?地下足袋を持っているので行ける所まで行きますとの事。大丈夫かなあ・・。

 

小雨が降る大台ヶ原ビジターセンター

しっとりスタート

 

 雨は気にならない程度でミストシャワーの中を歩いていく感じ。歩き始めは肌寒いぐらいでしたが徐々に体も温まってきました。日出ヶ岳では当然展望なし。

 

日出ヶ岳

展望台で雨宿り

 

 ここから堂倉滝までの道はある意味今回の核心部。過去には暑さで熱中症になりかけたメンバーもいるので用心していましたが、このミストのおかげで快適に歩けます。堂倉小屋では渓遊会の皆さんと遭遇。下多古以来、2週間ぶりです。

 

大杉谷へ

堂倉小屋

 

 堂倉小屋から1時間ほどかけて堂倉滝下のつり橋に到着。雲の切れ間から日も差してきていい感じです。たばっちは地下足袋歩行でつま先が死ぬほど痛いという事でここでリタイヤ。登山道を戻り、林道経由で泊地合流する事に(沢に入る前でよかった)。

 

堂倉滝

 

 小休止したら堂倉滝の巻きにかかります。吊り橋を渡り、次のつり橋の袂から作業道を登ります。

 

吊り橋を渡って

作業道へ取り付く

 

 小尾根に乗るとモノレールの軌条があるのでほんの少し進み、右側がルンゼ状になっている所から谷に降ります。残置ロープがありますが、下部は浮石が多いので一人ずつ慎重に下ります。

 

ここから谷に降りる

 

 谷に降りるとしま君がウロウロしています。どうしたの聞くと「ザックが無い」との事。何~!!!再びハプニング発生です。どうやら谷に降り立った時、トイレに行きたくてザックを下し、用を足して戻ってきたらザックが消えていたとの事。

 

 小滝の裏に巻かれていないかと思い、淵に潜って探してみましたがありません。後は下流に流されてしまったとしか考えられません。しま君に堂倉滝の下まで探しに行くように指示を出し、頭の中でシミュレーション・・

 

 人数が多いのでザックなしでも食料や寝床は何とかなるけど、車のキーや財布など無くしたらとても困るものもあるし、最悪山行は中止してみんなでザックの捜索に大杉谷を下るのか・・と考えていたらザック無事回収の知らせ。堂倉滝の滝壺に浮かんでいたそうです。ほっ

 

ザックを探すしま君

 

 1時間ほどロスしてしまいましたが、気を取り直して遡行再開。すぐに谷いっぱいに広がるナメが迎えてくれます。頭上には青空が広がり、絶好の遡行日和。ザック紛失騒ぎのおかげでいい時間調整になりました。

 

水量多めかな

 

 川床はツルツルでまるでバラエティー番組のローション相撲の様・・。何とか滑らないように歩みを進め、幅広10m滝は泳いで右から直登。気持ちいい~。

 

幅広10m滝 右から直登

豪快シャワークライミング

 

 その上の30m滝は明瞭な踏み跡を辿って右から巻きます。豪快なのに優しい、これが堂倉谷の特徴です。

 

30m滝は右から巻き

 

 時間はちょうどお昼過ぎ。谷中に太陽が差し込み、水の色がとてもきれい。中七つ釜は淵を泳いだり岩をへつったり、アスレチックのように進んで行きます。

 

水がきれい

ついつい○○ブルーとか言ってしまう

 

 次に現れるのは美しい10m斜瀑。けい君、しま君の若手コンビが右からロープを出して突破しますが、どうも乗越のところで苦戦しています。時間がかかりそうなので、半分のメンバーは淵を泳いで左側から突破しました。こちらからはフリーで楽々と登れます。

 

美しい10m斜瀑

左右から攻めます

 

 アザミ谷出合に着いたのは15時前。時間的にはこの辺りで泊まりたくなりますが、予定泊地でたばっちと待ち合わせしているので、先に進みます。出合いからは大岩の乗越し。

 

アザミ谷出合付近

 

 すぐに関門のような岩が現れ、右から越えると奥七つ釜の奇景が見えます。早速飛び込んだり、底をのぞき込んだり。でも余りまったりしていられないので記念写真を撮って先に進みます。

 

門のような岩

右から越える

奥七つ釜が見えた

さっそく飛び込み

どれくらい深い?

記念撮影

 

 奥七つ釜を越えたら後は泊地を目指すのみ。ハート型のポットホールを過ぎ、8mほどの斜瀑(ツルツル)を越えます。段々、日が傾いてきてもまだまだ泳がされます。

 

ハート型?

ツルツルの斜瀑

まだ泳がなあかんの?

 

 予定では堰堤まで行ってから林道に上がるのですが、もう時間も押してきたので右岸の適当な斜面に取り付いて林道を目指します。時間は17時前、ギリギリセーフ。

 

林道に上がりました

 

 あとは林道をテクテク歩いていくとたばっちとも合流(退屈で昼寝をしていたようです)営林小屋を見送り、泊地探し。最初考えていた地池林道はきれいに整備されてしまい、いい場所がなかったので、地池谷出合を少し超えた林道上にタープを張ります。13人もいるのでちょっとしたキャンプ地です。

 

営林小屋

タープを張る(まさか車は来ないだろう)

 

 薪を集めたら後は楽しい夕餉の時間。ふみふみさんが豪華串焼きをみんなにごちそうしてくれました。私は最近の定番のジャーマンポテトにパスタ。みんな思い思いに楽しんでいます。

 

スゴイ串盛り

各自炙って食べてください

ジャーマンポテト

 

 いい気分になってきたと思ったら第3のハプニング発生・・。のろっちの自立式ツエルトが風で飛ばされて沢に落ちてしまったとの事!!!。ペグダウンせず、シュラフだけ入れていたそうです。仕方がないのでまだ沢靴を履いていた私が回収する事に。すっかり酔いもさめてしまいました。

 

水没したツェルトを回収

 

 しかし今日は色んな事がありましたが、なんだかんだ言って13人全員でご飯が食べられて本当に良かった。焚火はいい感じで燃え離れ辛いのですが、いい加減眠くなってきました。焚火の横でごろ寝をするメンバーを残してタープの下に潜り込みます。

 

宴もたけなわ

いい感じになってきた

 

 空には満天の星。谷底からの眺めですが、十分すぎるほどきれいでした。

 

空には星がきれい

 

<2日目へ続く>

ikuyayuuki.hatenablog.com