晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 愛知川 沢登り 夏本番前の渡渉訓練 2022.06.25

みんなで渡れば怖くない?

 <メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 11名

suzuhaisecure.sakura.ne.jp

<山域・形態>

鈴鹿沢登

 

<コース>
神崎川林道ゲート(8:00)~発電所横・渡渉訓練(8:30~10:15)~赤坂谷出合付近・昼食(11:50~12:30)~取水堰堤下(12:40)~S字峡(13:20~13:50)~ダイブポイント(14:05~14:20)~林道(14:40)~神崎川林道ゲート(15:45)

 

 梅雨が明けると泳ぎ沢の季節。とても楽しいですが一歩間違えると死亡事故につながる危険な遊びでもあります。仲間と安全に泳ぎ沢を楽しむ為に今年も愛知川で渡渉訓練を開催しました。

 

 国道421沿いの駐車スペースに車を置き、神崎川林道を歩きます。30分ほどで発電所の少し下流の訓練場所に到着です。

 

今回の駐車地

 

 まずは流れを見ながら危険な場所の説明。水流が集まる場所、岩の下に潜り込んでいる場所、白く泡立った釜、横から流れ込む釜などには不用意に近づいてはいけません。

 

 その後、渡渉を実践します。渡渉しやすいルートの見極め方(流れが緩やかな所、飛び石が利用できる所など)を説明した後、実際に渡って見ます。まずは一人で流木を杖のようにしてみます。

まずは一人で杖をついて渡る

 

 次は二人でスクラム。お互いに押さえつけあいながらすり足で移動します。水流に対して縦向き(水の力を受けるのは一人)の方が良いと思います。

 

二人でスクラム

 

 続いて4人スクラム。女性や背の低い人を中央に配します。今日は水量がそれほど多くないので簡単に渡れてしまいましたが、安定感の違いは分かってもらえたと思います。

 

四人でスクラム

 

 最後はロープを使った渡渉。人間アンカー(できればしっかりとした支点が良い)に固定されたロープを支えに流れを渡ります。下流にも人を配置して流された場合には引き戻すのが重要。


20220625渡渉訓練04
ロープを使っての渡渉

 

 一通り説明したら、実践編。S字峡を目標に遡行してみる事に。今年本格的に沢を始めたメンバーは初めての泳ぎ渓に戸惑い気味。

遡行開始

 

 それでも燦々と輝く太陽の下、水しぶきを浴びながら遡って行くのは楽しいもの。気温も高いので水に入るのも苦になりません。みんなすぐに慣れてきました。

 

流れに逆らって

流されないように

 

 最初の関門はゴルジュの中の30mほどの瀞場。足はつかないので泳がなくてはなりません。

20220625渡渉訓練07
ゴルジュに来た!

 

 若者にロープを引かせて泳いでもらいます。ゆるいとは言え流れに逆らって泳ぐのは慣れないと厳しそう。何とか岩場に上陸します。後続はロープを手繰ればよいので楽ちんです。



後続はロープを手繰ってらくちん

 

 その後もワイワイと泳ぎ取水堰堤に到着。堰堤は左から登山道で巻きました。河原を少し歩くと愛知川関門の滝が現れました。

 

取水堰堤は左から巻く

関門の滝

 

 3mほどの滝ですが、愛知川の水が集中するのでスゴイ勢いです。釜は泡立っていて落ちるのは絶対に避けなければなりません。右から巻いて上流を渡渉します。

 

中々の水量

右から巻きます

 

 この渡渉が中々の曲者。せいぜい3mほどなのですが、流されたらさっきの滝壺に一直線なので失敗は許されません。スリングやロープで補助しながら通過します。ビビッて流心をスムーズに超えられなかったメンバーは足を取られて流されそうになりました。

 

緊張の渡渉

ロープも使ってみる

 

 難関を越えたらS字峡が現れます。流れをうまく読んで右岸から左岸に泳ぎ渡り、ナメ滝を横切って再度右岸に戻ります。

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今までに無く真剣な表情で泳ぐのろっち

 

 S字峡の中も水線突破を試みます。壁をうまくへつって流れが狭くなったところを飛び越えます。ここは失敗して流されても下流は瀞場なので大丈夫。それでも白く泡立つ流れを飛び越えるのは勇気がいりますね。

20220625渡渉訓練17
この渡渉が核心かも

スリングを使って補助

 

 時間的には今日はここまで、あとは流れを泳ぎ下ります。これぞ夏の沢の醍醐味です。いい歳をした大人がキャッキャ言って楽しんでいます。

帰りは流されて行きます

流されても大丈夫

流れに乗って泳ぎます

 

 そして最後のアトラクションは恒例のダイブ大会。関門の滝のすぐ下の淵に向かって右岸から飛び込みます。

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ダイブポイント

 

 みんな次々と飛び込みますが、おけいさんとまひろくんはどうも足が前に進みません。深呼吸をし、何回も飛び込もうとしますが寸でのところでブレーキ。それが一番危ないんだよ。

あっという間に飛び込んだのろっち

真っ先に飛び込んでご満悦

りーちゃんも飛び込む

ビビるおけいさん

 ビビるまひろ君

 

 それでも20分くらいの逡巡で二人とも飛び込み(おけいさんは1段下がった所から)これでやっと帰れます。

 

 記念撮影をしたら左岸の斜面に取り付いて林道に上がります。あとは再び林道をテクテク下ってゲートまで歩きます。帰りの林道歩きは1時間くらい。


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全員飛び込んでやっと記念撮影

 

 今回の訓練だけで大丈夫という訳ではありませんが、危険であることを知っているのと知っていないのとでは雲泥の差があります。今回の訓練をきっかけに沢の危険予知能力を磨いてくれるといいな。

 

 参加の皆さん、お疲れ様でした。