晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

台高 野江俣谷 沢登り 2022.06.05

イガミ滝

 <メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 5名

suzuhaisecure.sakura.ne.jp

<山域・形態>

台高・沢登

 

<コース>
絵馬小屋谷出合(7:50)~不動滝~イガミ滝前~谷復帰(10:40)~崩壊地(13:45)~エスケープ~登山道(14:30)~絵馬小屋谷出合(16:10)

 

 今回は少しレベルを上げた未見の沢に行こうといろいろ行先を考え、又剣谷を予定していました。しかし、夕方から雨が降るという予報に変わってしまったので、比較的近場でエスケープしやすい中級沢、台高の野江俣谷に変更です。

 

 この沢は2011年の台風で中流部が土石流に埋め尽くされてしまった残念な谷。でも自然林が美しく、下流部のゴルジュだけでも十分楽しめます。

 

<崩壊前2011年の記録>

ikuyayuuki.hatenablog.com

<崩壊後2016年の記録>

ikuyayuuki.hatenablog.com

 

 奥香肌温泉の旧スメールに集合した後、絵馬小屋林道の終点まで車を進めます。林道はダートなので普通の車高の車には厳しいでしょうか。駐車地には釣り師の車が1台。

 

今回の駐車地

 

 準備を済ませ、入渓。釣り師は絵馬小屋谷出合の少し下流で竿を出しています。なるべく視界に入らないように野江俣谷に入ります。大岩が重なる箇所を過ぎ、3mほどの小滝を越えます。

 

まずは小手調べ

水線で行きます

 

 すぐに不動滝へ続くゴルジュ。いきなり泳ぐのは寒そうだったので右岸から巻いてイガミ滝の前に降り立ちます。


20220605野江俣谷03
先が見えない・・・

不動滝のゴルジュ、中は真っ暗

トラバースしつつ進みます。

イガミ滝

 

 イガミ滝は深く浸食されたハング壁に囲まれた滝、ここも右岸からバンドをトラバースし、弱点の小尾根を登って杣道まで巻き上がります。初めて来たとき、リンゴ畑さんのルート取に唸ってしまいましたが、やはり、初見でここを見出すのはかなり難しいと思いました。杣道を少し進み、懸垂下降で谷に復帰。

 

懸垂下降で谷に復帰

 

 最初のゴルジュの巻きで結構時間を食ってしまいました。今日はナンノ木平まではむつかしいかなと思いながら遡行再開。変わった形の滝と苔むした岩、そして木々の緑が目に優しいとても美しい谷です。

 

遡行再開

緑が美しい

 

 この辺りは岩が柔らかいのか細い溝状に侵食された滝が多いのが特徴です。鶴小屋滝を過ぎても似たような形の滝が続きます。直登も楽しめます。

 

鶴小屋滝

こんな形の滝が多い

直登を楽しむ

 

 前に来た時は天気もいまいちでまだ春も早かったので気づかなかったのですが、森がきれいな沢だと改めて思いました。

 

これは巻き

バシャバシャと楽しい

こういうのはナベチャン好み(登れません)

小滝が楽しい

 

 昼食の小休止をした後は、一枚岩を流れる15m滝が現れました。ここは右岸の斜面を登りますが、中々の傾斜。トップはフリーで行きましたが後続には念の為にロープをだしました。泥付きを登るのにハンマーが欲しい所です。

20220605野江俣谷17
15m滝、右岸の泥壁を登る

 15m滝を越えると岩や倒木に谷が埋め尽くされています。少し先の右岸で大規模な山崩れが発生しており、その土石がここまで押し寄せているのです。(これはグーグルマップの航空写真でもはっきりわかるくらい大規模なもの・・)
 

20220605野江俣谷18
崩壊地に出た

 

 時間も押していたので今日の遡行はここまでとします。右岸の支谷に入り、ナンノキ平から降りてくる登山道までエスケープします。


右岸の枝谷をエスケープ

 幸い、困難な場所も無かったのでロープを出さずに登山道に辿り着く事が出来ました。時間がない時はいいエスケープルートになると思います。

 

尾根を乗っ越すと

やっと登山道に出た~

 

 あとは登山道を歩いて絵馬小屋谷の出合まで。車に戻り、着替えるまで雨に降られずいいタイミングで降りてくる事が出来ました。

20220605野江俣谷22
戻ってきました

 最初のゴルジュの通過に時間がかかり、途中エスケープになってしまいましたが、ドキドキのゴルジュと気持ちのいい新緑沢登りが楽しめました。人数が多い時のスピードアップは今後の課題として考えます。参加の皆さんあるがとうございました。

今回のルートイメージ(グーグルマップより)