晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 滝洞谷 鈴鹿最難ゴルジュ再訪 2020.11.08

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井戸底から這いあがる

 <メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 5名

suzuhaisecure.sakura.ne.jp

 

<山域・形態>

鈴鹿沢登

 

<コース>

大君ヶ畑墓地(7:00)~滝洞谷(7:10)~洞窟ゴルジュ下(8:00)~井戸底ゴルジュ下(10:00)~迷路ゴルジュ下(12:00)~遡行終了点(14:15)~茶野(15:55)~P729(16:15)~大君ヶ畑墓地(17:05)

 

 11月に入り沢シーズンもいよいよ終盤。少し気合の入った沢に行こうという事で鈴鹿最難と言われる滝洞谷いく事に。ここは8年ぶり2回目。

 

2012年の記録

ikuyayuuki.hatenablog.com

 

 今回はいつものメンバーに最近加入した強力クライマーのマサさんを入れた5人。人数の多さが気になりますが、まあ何とかなるでしょう。

 

 夜半まで降った雨は明け方には上がったようで、ガスに煙る大君ヶ畑墓地を7時に出発します。

 

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大君ヶ畑集落の墓地からスタート

 

 谷沿いを進み、堰堤を越えると10分程でゴルジュの入り口に到着。岩の向こうから髑髏がこちらを覗いているようで気味が悪い。

 

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堰堤を越えて 

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10分で入渓(人面岩がお出迎え)

 

 最初の釜には濁った溜水。すえた臭いがしますが、幸い鹿の死骸なありません。我々は定石どおり右岸から巻きますが、突破に拘るマサさんは水線から攻めます。アグレッシブだなあ。

 

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最初の小滝、まささんはトライ 

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一般人の我々は右岸から懸垂

 

 ゴルジュの中は小難しい段差(水が無いので滝と呼べるか?)が続きます。記憶にある滝洞谷より難しく感じるのは、前夜の雨で濡れているからなのか自分が衰えたからなのか・・。

 

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のっけから登攀技術を要求される 

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濁った溜水(死骸は無い)

 

 そして最初の難関の洞窟ゴルジュ。その名の通り真っ暗でヘッデンの灯りでホールドを探らなければなりませんでした。フリー突破を目指すマサさんは最初奮闘していましたが、やはり難しかったようでアブミを架け替えに切り替えて突破していきます。後続の我々はアブミの大量投入で突破。

 

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洞窟ゴルジュ 最初はフリーでトライ 

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フリーは断念してアブミを使う 

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後続は物量作戦 

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回収のいさおさんは大変な事に・・

 

 難所のゴルジュとゴルジュの間も登攀を強いられます。それでもお助けスリング程度で突破出来たので、思ったよりもスムーズに抜ける事が出来ました。

 

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背面ステミングを駆使 

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核心部以外もなかなか渋い 

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この段差の乗越が意外と難しい 

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助け合って進む

 

 そして核心部、井戸底ゴルジュにやってきました。チムニー状に抉れた岩壁はまさに井戸の底にいるようなおどろおどろしい雰囲気。なのになべちゃんは満面の笑みを浮かべています。ゴルジュフェチの感覚にはついていけません。

 

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井戸底ゴルジュ 

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濡れてヌメヌメ 

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なべちゃん、なぜか満面の笑み

 

 リードのマサさんは的確にプロテクションをセットして登って行きますが、セカンドでも随分と難しく感じました。前回がフェルトでもそれ程難しいと思わなかったのになあ・・。支点は岩に巻かれたスリングを利用しました。 

 

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マサさんリードで 

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セカンドでも難しく感じる 

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正に井戸底 

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吠えるこうじさん

 

 井戸底から脱出し、ほっとしたのも束の間。2段目の滝が現れます。ここは滝芯がツルツルなので左のカンテを人工で登るのがセオリーなのですが、マサさんはフリーで取り付いて登ってしまいました。びっくり。

 

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井戸底ゴルジュの2段目、フリーで取り付く 

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ありゃ、登り切っちゃった 

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この乗り越しが一番厭らしかった

 

 後続の我々はクラックにハーケンを打って、アブミを使って登ります。カンテから滝芯に乗り越す所がヌメヌメで恐ろしかった。

 

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我々はノーマルにアブミを使う 

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最後まで気が抜けない

 

 その後、谷は一瞬、癒しの雰囲気になりますがすぐに迷路ゴルジュが現れます。これまでの二つのゴルジュと違って空が開けているため、気持ちは軽いです。ここはナベちゃんリードで突破。

 

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一旦、穏やかに 

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迷路ゴルジュはなべちゃんリードで

 

 一見、簡単そうに見えましたが、やはりヌメヌメでいやらしかった。その上の3段25mと言われる滑り台は気合のステミングで突破。

 

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苔ゾーンを過ぎたら滑り台

 

 これでゴルジュは終わりですが、まだまだ気が抜けません。深い釜に行く手を阻まれました。左岸から巻くことも出来ますが突破に拘るマサさんはまたまた水線を攻めます。後続のイサオさんは釜からの離水に苦労し5分程水に浸かっていました。こうじさんは首まで水に浸かるハメに・・。

 

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最後の釜も水線突破で 

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首まで浸かるこうじさん

 

 釜を過ぎると、これまで険悪だった谷は突然普通の沢に変わります。やれやれ。リードの登攀がスムーズだったので思ったよりも早く抜ける事が出来ました。

 

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突然、普通の渓相に

 

 あとは右岸の植林に取り付き、急斜面を登って行きます。植林を抜けると紅葉がきれいでした。

 

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右岸の急斜面を登って

 

 茶野まで登るのに1.5時間以上かかってしまいましたが、何とか明るい内に下山出来る目処が立ちました。記念撮影を済ませたら薄い踏み跡を辿ってP729まで。テープがいっぱいついているので、明るい内なら道に迷う事は無いでしょう。

 

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茶野で記念撮影 

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夕日が沈む

 

 P729からは明瞭な仕事道を辿って大君ヶ畑まで。ヘッデンのお世話にならずに車まで戻る事が出来ました。

 

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何とか大君ヶ畑に帰ってきました

 

 2回目の滝洞谷。前回同様、核心部のリードはクライミングの上手い人に任せてしまったので、自力で突破した感がありません。もっと登攀技術を磨いて今度はリードで突破したいなあ。参加の皆さんお疲れ様でした。

 

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今回のコース