晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 元越谷 春うららの沢登り 2020.05.05

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元越大滝

 <メンバー>

単独

 

<山域・形態>

鈴鹿沢登

 

<コース>

林道ゲート(9:40)~入渓(10:10)~元越大滝(10:40)~仏谷出合(11:50~12:15)~県境稜線(12:55)~水沢峠(13:10)~林道ゲート(14:30)

 

 捜索の疲れも癒えた子供の日。ろくでもないGWも残すところあと二日になってしまいました。そして好天が望めるのも今日で最後。いてもたってもいられなくなり、沢に癒されに行く事にします。自粛期間中、なおかつ急遽思い立ったので単独になります。

 

 朝食を家で食べてから出発し、GW中何度も走った鈴鹿スカイライン滋賀県側に抜けて大河原から林道に入ります。林道ゲートには数台の車が停まっていました。先行者がいるのかなあ。

 

 急いで準備をして歩き始めます。新緑が萌え水の流れはうっとりするほどきれいです。今日は単独なので誰とも話をせず、小鳥のさえずりとカジカガエルの鳴き声を聞きながら歩きます。

 

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新緑が美しい

 

 猪足谷を渡る橋を見送り、植林が始まる手前で沢に降ります。足がヒンヤリして気持ちいい。少し早めに降りてしまったせいか堰堤を余分に越えなければなりません。

 

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入渓

 

 仙の谷出合を超え、2重堰堤を超えてしばらくすると最終堰堤が現れます。ここの巻きは高度感があり、向こう側へ降りる道も崩壊が進み険しくなっています。滑落に注意しながら慎重におりました。危険度でいえばここが一番危険かも。

 

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2連堰堤を超える

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奥に見えるのが最終堰堤

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巻き道の下り(写真では伝わらない怖さ)

 

 最終堰堤を超えると本格的に遡行開始です。まず現れるのがきれいなエメラルドグリーンの淵。まだ泳ぎたくないので右側から慎重にへつります。

 

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最初の淵

 

 ドボンせずに無事に切り抜けると元越大滝が現れます。しばらく雨も降っていないのに堂々の水量で迫力があります。何回見てもいい滝だなあ。

 

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元越大滝

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近くで撮ってみた

 

 大滝は右のルンゼから巻き上がります。ステップ、ホールド豊富で木の根もあり慎重に登れば危険はありません。そして大滝の上からは元越谷の見どころの廊下が始まります。

 

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廊下が始まる

 

 明るい花崗岩の岩肌にエメラルドグリーンに輝く流れ。中俣の分岐までは「鈴鹿の宝石箱」と呼ばれる程の美しい景観が続きます。写真ではうまく伝わらないのが残念。泳ぐのにはまだ早いので上手くへつりながら遡行します。

 

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きれいなナメ

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夏なら泳いでるなあ

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美しい

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樋状の小滝

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白く輝く谷

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濡れずに上手くへつって行きます

 

 中俣を過ぎると倒木や土砂の押出が目立ち初め、美しさは少し影を潜めます。近年の大雨の影響だと思います。この辺りは植林が多いので斜面の保持力が弱いのでしょう。

 

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支谷から土砂が押し出されている

 

 お昼前に仏谷出合に到着しました。いつもこの辺りで昼食にするのですが、今日もちょうどぴったりです。スタートが遅かったのですがやっぱり単独だとスピードが速いです。出合の滝の上の岩でのんびりお昼ごはん。

 

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仏谷出合

 

 お昼ごはんを終えて遡行再開。谷の幅がぐっと狭まるのでステミングを駆使して小滝を超えます。次の滝では少し水を浴びました。

 

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ミニゴルジュ

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ちょっとだけシャワー

 

 谷の分岐が増えてきましが、要所にはケルンが積んであります。狭いV字状のゴルジュを抜け(水は極少ない)15m滝を超えると源流の雰囲気です。

 

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ケルンが積んである

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V字のゴルジュを行く

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岩の向こうに15m滝

 

 15m滝の上は傾斜も緩くなり、水路上になった谷がS字に蛇行する落ち着いた雰囲気になりますが、ここでも倒木が多くこの谷の美しさを損なっています。山は逃げないと言いますが、刻刻と姿を変えて行きます。

 

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倒木が鬱陶しい

 

 水が少なくなると稜線も近くなった合図です。植林帯は終わり2次林になると谷は途端に明るくなります。急斜面を一登りすると水沢峠の南の県境尾根に飛び出します。

 

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もう源流

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県境尾根に飛び出した

 

 P930を超えると水沢岳が目の前に迫ってきます。一瞬、あれを登り返すのかと思ってしまいますが、水沢峠はその手前です。右手には磐座尾根とそれに続く入道ヶ岳が見えています。

 

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P930付近はガレガレ

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磐座と入道ヶ岳

 

 水沢峠を左折して中俣沿いに付けられた登山道を歩きます。道型はかなり薄くなっているので所々テープだよりになってしまいます。途中でイワカガミが咲いていました。

 

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水沢峠

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イワカガミ

 

 本流(右俣)出合近くの堰堤付近から崩壊した林道を歩く事になりますが、この林道が付けられたのは10年ほど前だったと思います。それからあっという間に目も当てられない位に崩壊しており、いったい何の為に付けたのか分からなくなります。

 

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流された橋

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崩壊林道

 

 山腹まで上がると(地形図上で実践に変わる部分)しっかりとした林道に変わるので後はテクテク歩いてゲートまで。5時間かからずに下りて来る事が出来ました(ほっ)。河原では若者がBBQを楽しんでいました。

 

 久しぶりの単独沢は緊張したけどのんびり癒された遡行でもありました。他人のフォローをする事も無く、たまには自分のペースで歩くのもいいなあ。