晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

雨乞岳 秋の夫婦ハイク 2005.10.09

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東雨乞岳~西雨乞岳への笹原

 

<メンバー>
夫婦

 

<山域>

 

<コース>
武平峠~クラ谷分岐~七人山のコル~東雨乞岳~西雨乞岳~杉峠~佐目峠往復~コクイ谷出合~コクイ谷~沢谷~クラ谷分岐~武平峠

 

 10月下旬に佐目峠のテント泊を計画している。佐目峠へのアプローチとして谷尻谷を考えたが、前回の単独行で少し厳しいと判断。一般道を利用し、雨乞岳からのアプローチが最短コースと考え、今回下見に出かけた。(このコースは2年前に歩いたっきり)

 

 メンバーは家族サービスを兼ねて妻と2人。デートを兼ねての山歩きは一石二鳥と考えた。

 

 鈴鹿スカイラインの最高点、武平峠まで車で上がって出発準備。駐車場は8時の時点で満杯に近い。鎌へ上がる人が多そうだが、我々と同じく雨乞に行く人たちも見受けられる。

 

 武平峠からの道は樹林の中のトラバース道である。始めは杉の植林帯、そのうち杉も巨木が増え、うっそうとした雰囲気になる。足元には沢が流れ、暗く、湿っぽい雰囲気だ。

 

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うっそうとした樹林の中を歩く
 
 登っているのか、下っているのか良くわからないトラバースを約1時間ほど歩くと、クラ谷分岐にでる。帰りはコクイ谷から上がってくる予定なので、ここへ戻ってくる。

 

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クラ谷分岐
 
 ここからは、クラ谷を遡って行くが、植生も杉から広葉樹林帯へ変化し、明るい雰囲気が漂ってくる。妻が足元に落ちているどんぐりを盛んに拾っている。私にも「帽子つきのを探して」との指令。(先は長いのだから頼むよー)と思いながら一緒にどんぐりを拾う。

 

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だんだん明るくなってくる。

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どんぐり拾い
 
 やがて、傾斜がきつくなってくるとともに、木々の隙間から覗く青空が徐々に広がってくる。やがて広い鞍部にでる。七人山のコルだ。右に道をとれば七人山、左が東雨乞岳への道だ。七人山も2次林が美しく。紅葉の時期に訪れてみたいところである。

 

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七人山のコル、休憩にちょうど良い

 

 コルから東雨乞岳へ向かい、斜面を登り始めると一転して「笹の海」である。割堀状の道を背丈を越える笹が覆い尽くし、まるで笹のトンネルである。時おりトンネルから顔を出すと、背後には七人山がお椀を伏せたような姿を見せ、右手にはイブネ・クラシの台地が青空の中にくっきりと浮かび上がっている。

 

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笹のトンネル、長袖が必須です

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 七人山

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9月に歩いたイブネ・クラシの台地


 笹のトンネルを登りきると、ポッカリ開けた山頂に飛び出す。東雨乞岳の山頂だ。展望は本峰である西雨乞岳よりも素晴らしい。

 

 山頂からは360度鈴鹿山系の展望が広がる。鈴鹿随一の展望ポイントだ。西雨乞は人出が多いと思われるのでここで昼食とする。

 

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東雨乞岳からのパノラマ(クリックで拡大)
山の名前、いくつわかりますか?

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御在所と国見岳、双耳峰に見える


 昼食を終え、いよいよ雨乞岳本峰を目指す。山頂にはいくつかのパーティーがいるらしく、歓声が聞こえる。笹原の中に浮かぶ踏み跡を歩き、西雨乞岳に向って歩き出す。
途中、稲ヶ谷からの合流点では鎌ヶ岳が鎌尾根を従えた勇姿を見せている。

 

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雨乞岳へ
 

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鎌ヶ岳の勇姿


 予想通り、雨乞岳山頂では10数人のパーティーが昼食と記念撮影中。喧騒を避け、雨乞岳の雨乞い信仰の元になった「大峠の沢」を眺めたあと、杉峠への急斜面を一気に下る。

 

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大峠の沢、竜神が棲むという
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杉峠への急斜面を下る、滑らないでね
 
 杉峠からテント泊予定地の佐目峠へ下見に向う。道に迷うようなところは当然ない。所要時間も30分ほど。幕営予定地には適当な平坦地もある。頭上の樹林も心なしか色づいている。運がよければ紅葉と星空の両方が楽しめるだろう。

 

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おなじみの杉

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佐目峠、どんな夜になるのか今から楽しみだ 
 
 杉峠からコクイ谷出会いまでの道はいつもの道なので特に解説はしない。少し驚いたのが、杉峠から名古屋駅のツインビルが見えたことだ。滋賀県側に位置する山深い峠と名古屋の中心部の間にさえぎるものが無いというのも不思議な感じだ。

 

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山と山の間に名古屋駅のビルが見える(この写真では判り難い)
 
 鉱山飯場後を過ぎて、コクイ谷出合へ到着。ここまで歩行時間6時間半。妻も良く着いてきている。清流と岩場に咲く大文字草が疲れを癒してくれる。

 

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コクイ谷出合、いつも静かな雰囲気

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岩陰に咲く大文字草


 ここからコクイ谷を遡り、沢谷まで向う。コクイ谷は若干荒れている雰囲気で、人跡も薄い。ここ数年の台風の影響か倒木が多い。テント泊時も帰路に使う予定であったが再考が必要か。

 

 ようやく、クラ谷分岐に戻り、朝歩いたトラバース道を武平峠へと向う。夕暮れが近づいてきて少し足を速めるが、日没タイムアウトにはならないだろう。駐車場間近の杉の間から見事な夕焼けが道を照らしていた。       

 

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鈴鹿の夕焼け